事業承継の成功は後継者がカギを握る!
事業承継を行うには、経営者が様々なことを考える必要がありますが、経営者だけでなく後継者も事業承継に対してしっかりと取り組むことが大切です。
後継者が事業承継に対する意識を高めることによって、成功率を高めることができるでしょう。
後継者選びを行う上で重要なポイントや、後継者に関する課題・後継者ができることについて解説をしていきます。
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目次
事業承継するには後継者選びが重要?
- 後継者の意識が高いと入念な準備ができる
- 従業員や取引先との関係構築が早くできる
- 後継者の高いリーダーシップが従業員に安心感を与える
事業承継時に後継者選びが重要である理由について解説をしていきますので、参考にしてください。
後継者の意識が高いと入念な準備ができる
後継者選びを行う上では、事業承継に対する意識が高い人を選ぶのが良いでしょう。
経営者の想いをつないでいきたいと考えていることが大前提ですが、後継者の意識が高いと事業承継に対する準備ができやすいです。
事業継承には入念な準備が必須になるため、後継者なるという意識が高い人をチェックしましょう。
従業員や取引先との関係構築が早くできる
事業承継でも家族・親族に引き継ぐ場合もあれば、従業員から選ぶという企業も少なくありません。
従業員の場合は、取引先や他の従業員の状況を把握しているので、そこまで問題がありませんが、全くかかわってきていない人が後継者になると一からの関係構築が必要です。
後継者選びは早めに行うと、従業員や取引先との顔合わせができ、早い段階で関係作りができます。
後継者の高いリーダーシップが従業員に安心感を与える
リーダーシップがある後継者だと、しっかりと会社を引っ張ってくれるというイメージができるため、従業員も安心して仕事に取り組むことができるでしょう。
従業員に安心してもらうためにも、経営者はリーダーシップがある人物を慎重に見極めることが大切です。
多くの企業が抱える後継者に関する課題
- 後継者がいない・候補者が多くて決まらない
- 後継者に経営経験が無い
- 承継後に経営不振に陥ってしまう
後継者選びでは、どのような課題を抱えやすいのか解説をしていきますので、参考にしてください。
後継者がいない・候補者が多くて決まらない
後継者が多くて決まらないという企業もあれば、後継者が不在で困っているという企業もあります。
特に後継者がいないという悩みを抱えている企業は多く、2025年になると中小企業の半分から1/3近くが廃業・解散する可能性があると示唆されているほどです。
後継者が決まっていない場合は、マッチングサービスなども利用して後継者を探すのがおすすめです。
一方、後継者候補が多い場合は、選ぶ際に慎重に行うようにしてください。
後継者から外れた候補者に対してのフォローも重要で、配慮がない場合は相続時にトラブルになる可能性も高いです。
【おすすめのマッチングサービス】
- 事業承継マッチング支援
- 事業承継総合センター
- ビズリーチ・サクシード
- M&A総合研究所
後継者に経営経験が無い
経営経験が後継者にないという点を課題に感じている企業が少なくありません。
後継者でも他企業に勤めてある程度の実績を積んでいれば問題がありませんが、全く経営経験がないという状態だと、承継後に経営不振に陥る可能性があります。
経営経験のない後継者の場合は、事業承継を行う前に研修できるスクールやセミナーへの参加をおすすめします。
そうすることで、事業承継後もスムーズな経営ができるようになるでしょう。
【おすすめの後継者育成スクール】
セミナー・スクール名 | 講義内容 | 公式HP | |
---|---|---|---|
百年企業創造コンサルティングS・Yワークス | 後継者育成学校 | ・人材論 ・リーダー論 ・承継論 ・経営論 ・マーケティング戦略など |
https://syw.jp/seminar/seminar-information/ %E5%BE%8C%E7%B6%99%E8%80%85%E8%82%B2%E6%88%90%E5%AD%A6%E6%A0%A1/ |
パワーザイム株式会社 | 後継者育成スクール | ・従業承継を行う上で重要な6つのポイント ・会計 ・法務 ・経営 |
http://powerzaimu.com/service/sbs.html |
タナベコンサルティング | 後継経営者スクール2021 | ・意識と行動 ・マネジメント ・ビジネスモデル ・コミュニケーション技術 |
https://www.tanabekeiei.co.jp/t/shokei/school.html |
りそな総合研究所 | りそなマネジメントスクール | ・戦略経営 ・マーケティング戦略 ・人事戦略 ・事業計画の策定 |
https://www.rri.co.jp/kenshu/ms.html |
承継後に経営不振に陥ってしまう
後継者がしっかりとしているからといって、必ずしも事業が成功するとは限りません。
承継後は今までとは違った経営者による指導の下で運営が行われるため、方向性や方法を間違えると経営不振に陥りやすいです。
事業を引き継いだからすぐに新しい取り組みに挑戦したいと考える後継者は多いですが、まずは経営が軌道に乗るように対応していきましょう。
後継者が事業承継に向き合う4つのメリット
- 事業承継について早めに勉強できる
- 経営に対する高い意識・勉強が可能
- 現経営者の想いなどを引き継ぎやすい
- 会社の状況把握がスムーズにできる
それぞれのメリットについて解説をしていきますので、参考にしてください。
事業承継について早めに勉強できる
事業承継は専門知識が必要になるため、専門家に相談することが一般的ですが、相談をしたとしても経営者や後継者が事業承継に対しての勉強を行っていないと理解できにくいです。
事業承継と向き合うことによって専門家の話が理解できやすく、早めに勉強することで他の企業よりも成功率が高くなりやすいでしょう。
経営に対する高い意識・勉強が可能
会社を承継するということは、これから事業・会社を経営していくことです。
そのため、経営学を学んでおく必要があります。
経営学を学ばないと経営ができないというわけではありませんが、多種多様な知識を身につけておくことで柔軟な経営ができるようになるでしょう。
できれば経営に対する意識だけでなく、従業員や取引先とのコミュニケーションについても学ぶのがおすすめです。
現経営者の想いなどを引き継ぎやすい
後継者が事業承継と向き合うことで、現経営者の想いなどをしっかりと考えやすいです。
事業の現実面だけでなく、現経営者の会社に対する想いなども引き継ぐことができると、取り引き先や従業員への対応も変化し、より良い方向へと向かうでしょう。
会社の状況把握がスムーズにできる
会社の状況をスムーズに把握しやすいという点もメリットとして挙げられます。
事業承継では会社の状況把握や現経営者の状況・後継者の状況把握などが必須です。
例えば会社の状況ばかり目が行っていると、現経営者の体調不良・変化などを見極めることができず、急な事業承継・相続に発展するケースも少なくありません。
事業承継に向き合うことで全体像を把握しやすく、後継者の意識も高まります。
成功への近道!事業承継を行う際に後継者にできること
- 事業承継に関する勉強をしてもらう
- 研修などを受けてもらう
- 従業員や取引先との関係構築を作ってもらう
- 現経営者と一緒に事業承継に関する計画作成
上記は事業承継を行う際に、後継者ができることになります。
事業承継に関する勉強をしてもらう
後継者は、まず事業継承に関する事柄を勉強しましょう。
後継者に向けた経営に関する本や情報発信メディアも多く登場しており、学習できる方法は昔と比べるとはるかに増えています。
下記は事業承継について学ぶ際に参考になりやすい本になりますので、ぜひチェックしてみてください。
【勉強に役立つおすすめの参考書】
著者 | 価格(Amazon) | |
---|---|---|
事業承継のツボとコツがゼッタイにわかる本 | みんなの事業承継研究会 (著) | 1,272円~ |
デキる二代目社長は知っている 事業承継5つの鉄則 | 鈴木宏典 (著) | 1,650円~ |
社長の想いを引き継ぐ 事業承継の進め方 | エッサム (著) | 1,672円~ |
後継者の仕事 進化の時代に必要な「経営のあり方と戦略」 | 次世代の事業承継研究会 (著), 赤岩 茂 (著), 藤井 正隆 (著) | 2,200円~ |
※2021年4月22日段階の価格
研修などを受けてもらう
事業承継に関する勉強と合わせて、セミナーや研修を受けるのもおすすめです。
後継者教育スクールも多く登場しており、セミナーでもオンライン形式で参加できる講義が増えているため、全国どこでも参加できやすい状態になっています。
従業員や取引先との関係構築を作ってもらう
後継者ができることとしては、他にも従業員や取引先との関係構築も大切です。
関係構築は、時間をかけて少しずつ作っていくのが好ましいです。
ただし、早く関係構築をしたいからといって焦ってしまうと表面上の関係づくりしかできなません。
人同士の関係構築は、焦らずに少しずつ行っていくようにしましょう。
現経営者と一緒に事業承継に関する計画作成
現経営者と事業承継について考えることも、後継者にとっては大切な行動です。
事業承継の計画は、現経営者が専門家と一緒に立てることが多いですが、後継者も参加することで、より成功しやすい事業承継計画書の策定が可能です。
現経営者としっかりと打ち合わせを行って、会社の状況に合った計画書の作成を行うようにしましょう。
まとめ
事業承継は様々なことを考える必要があり、後継者がしっかりとした対応・行動を行うことで成功率が高まります。
後継者は承継後の会社運営を成功させるためにも、研修やセミナーを受けるのがおすすめです。
事業承継を考えている後継者の方は、おすすめの勉強本や育成スクールも参考にしてください。
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(編集:創業手帳編集部)