転職するなら事業承継間近の「後継者不在企業」が狙い目!?

近年は新型コロナウイルス感染症の影響を受けて国内経済が悪化し、転職がなかなか難しい状況になっています。

自分に合った企業を探すのは大変ですが、事業承継のタイミングを間近に控えている企業に転職すれば、社長になることも夢ではありません。

今回は、事業承継のタイミングが近い企業への転職をおすすめする理由や、転職先を選ぶ際にチェックしておきたいポイントなどをご紹介します。

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後継者不在企業への転職をおすすめする理由


中小企業経営者の高齢化が進む中、後継者候補が見つからないことに悩みを抱えている経営者は少なくありません。

そのため、自分の経験やスキルを活かせる企業に転職し、経営者の意志を引き継げる人物として信頼されれば後継者候補に選ばれる可能性が高まります。

転職後に社長になれる3つのパターン


・外部の人材から後継者候補を探している
・M&Aで事業買収した投資家が代理の後継者を探している
・本命の後継者が育つまでの代理社長を探している

外部の人材から後継者候補を探している

ひとつ目のパターンは、経営者が外部の優秀な人材から後継者候補を探している場合が挙げられます。

近年は、経営者の親族や従業員に適当な後継者がいないなどの理由で、社長候補を採用する企業が増えています。

社長候補には総合的なマネジメント能力や高い決断力が求められるので、中堅企業の役員やベンチャー企業の中核メンバーを務めた経験があると採用時に有利に働くでしょう。

M&Aで買収した投資家が代理の後継者を探している

2つ目のパターンとして、M&Aによって会社を買収した投資家やファンドが、自分たちの代わりに会社を経営できる後継者を探している場合が挙げられます。

採用後すぐに経営を任されることになるため、後継者候補としての育成が不要な「十分な経営実績を持つ人材」が選ばれる可能性が高いです。

本命の後継者が育つまでの代理社長を探している

3つ目のパターンには、本命の後継者が育つまでの「つなぎ役」として社長候補を探す場合が挙げられます。

このパターンでは、経営者が最終的な決定権を維持したまま代理社長に指示して会社を運営していくことになります。

本命の後継者が会社を継ぐまでの間とはいえ、代理社長として十分な経験を積めば他社の社長候補としてリストアップされることがあるので、キャリアアップを目指したい方におすすめの方法です。

後継者候補として転職する際の注意点


・社風と経営方針
・負債や個人保証の有無
・従業員や取引先との関係

後継者候補として転職する際は、上記の3点に注意しましょう。

社風と経営方針

後継者候補として転職する際は、企業の社風や経営方針を把握しておくと良いでしょう。

社風や経営方針を承継しなかった場合は、先代経営者や従業員とのトラブルに発展する恐れがあります。

職場の雰囲気が変わったことを理由に大量の離職者が生まれると、会社の競争力や生産性が大幅に低下してしまいます。

経営者としての実績を積んで従業員から信頼を得られるまでは、社風や経営方針を維持するように心がけましょう。

負債や個人保証の有無

後継者として会社を引き継ぐと、経営権や金融資産だけでなく、負の資産である借金や個人保証なども引き継ぐことになります。

会社を経営していくためには負債を正確に把握する必要があるので、金融機関からの借入れ額や個人保証の内容などをしっかりと確認しておきましょう。

従業員や取引先との関係

後継者として円滑に会社を引き継ぐためには、従業員や取引先と良好な関係を築くことも大切です。

新しい経営者になってから従業員や取引先との関係が悪化すると、大量の離職者が発生したり、取引先から契約を打ち切られたりして、経営不振に陥る恐れがあります。

事業承継直後の会社は経営状態が不安定になりやすいので、従業員や取引先と良い関係を保てるように心がけましょう。

後継者候補として転職するメリット


・経営経験を積める
・経営基盤が整った状態でスタートできる
・U/Iターン転職でチャンスが得られる

後継者候補として転職するメリットは、上記の3つです。

経営経験を積める

後継者候補として転職すれば、自力で起業しなくても経営経験を積むことができます。

後継者育成セミナーに参加すれば経営に必要な知識を学ぶことはできますが、実務経験を積む機会はなかなかないものです。

実際に会社を経営してからわかることが数多くあるため、「経営経験を積んで、いずれ独立したい」と考えている方には、特に大きなメリットになります。

経営基盤が整った状態でスタートできる

後継者から社長になると、経営基盤が整っている会社をそのまま引き継げるというメリットがあります。

自力で起業した場合は、経営が軌道に乗るまで大変な労力と時間がかかりますが、後継者として事業を承継すれば、経営基盤を一から築き上げる必要がないためスタートでつまずく心配がありません。

経営基盤が整っていれば、新しい事業にも余裕をもって取り組むことが可能です。

U/Iターン転職でチャンスが得られる

後継者問題を抱えている中小企業は都市部よりも地方に多いため、地方にUターン・Iターン転職することで経営者になるチャンスが得られます。

地方の企業を引き継げば、地元で仕事ができるだけでなく、地域経済の発展に貢献できるなどの多くのメリットがあります。

M&A業界への転職もおすすめ


近年は中小企業経営者の高齢化が深刻になっており、M&Aによる事業譲渡を行う企業が増えています。

ニーズの急拡大に対応するため、M&A業界では事業承継士や税理士といった専門的な資格を持つ人材を大量に募集しています。

行政機関との事務手続きやセミナー運営のための事務職員の募集も増えているので、起業する前にM&Aに関する実務上の知識やスキルを学びたいという方におすすめです。

まとめ


事業承継間近の企業に後継者候補として転職する場合は、転職先の社風や経営方針、財務状況といった様々な点をチェックしておくことが大切です。

後継者候補として転職すれば経営経験を積むことができる上に、経営基盤が整った会社を引き継いで新しいビジネスにチャレンジできます。

事業承継のタイミングを迎えた企業に転職するメリットは数多くありますので、自分の経験やスキルを活かして起業したいと考えている方は、後継者候補を募集している企業への転職を検討してみてはいかがでしょうか。

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(編集:創業手帳編集部)