M&Aという選択肢が事業承継の夢をつなぐ
中小企業における経営者の高齢化は年々増加の一途を辿っており、「事業承継」のニーズが高まっています。
しかし現実はそう甘くなく、帝国データバンクの調査によれば、後継者不足に悩む経営者は70%を超えているとのことです。
どうすればスムーズに事業承継を成功へと導けるのでしょうか?
そこで今回は、ニーズが高まっている事業承継の現状やM&Aで事業承継を成功させる方法についてご紹介します。
起業家に有益な情報を徹底してお届けする「創業手帳」から、日本初の事業承継に特化したガイドブック「事業承継手帳(無料)」 が創刊されました!事業承継を検討する創業者の方、これから新社長になる方、事業承継に関わる士業の方などに有益なノウハウや最新情報をお届けしています。あわせてご活用ください。
そもそも事業承継とは?どんなニーズがあるの?
事業承継とは、事業や株式などを親族もしくは社外の第三者が後継者として引き継ぐことを意味します。
これまでは子息や親族、または従業員や役員が後継者に指名されるのが一般的でしたが、昨今では様々な事情から中小企業の後継者不足が顕著になってきています。
そこで現在は、事業承継を推進するために、政府が中心となって相談窓口の充実や助成金・補助金の政策を図っているところです。
今日では、親族内承継だけでなく、M&Aによる事業承継のニーズが増えてきています。
中小企業における「M&A」事業承継のニーズ
みなさんもよくご存じの「M&A」は、一般的には外資系企業や国内大手企業が主に行っているイメージがありますが、実は近年では中小企業においてもM&Aを通じて事業承継を実現するニーズが増えてきています。
「贈与税や相続税の負担が大きすぎて事業承継に踏み出せない」「いますぐに事業承継を行いたいが、後継者候補がいない」
M&Aのニーズは、このようなお悩みや課題をお持ちの経営者にあります。
実際、事業承継を成功させた中小企業の約3分の1は、親族内継承ではなくM&Aであるともいわれているのです。
事業承継の市場規模が拡大している理由
・事業承継のニーズ① 事業承継5ヶ年計画の策定
・事業承継のニーズ② 事業承継税制の拡充
・事業承継のニーズ③ 事業引継ぎ支援センターの体制強化
・事業承継のニーズ④ M&A需要の増大
事業承継の選択技の中で、少子高齢化ということもあってM&Aを選択する経営者が多くなってきています。
事業承継のニーズが増加している理由は、主に上記の4点が挙げられます。
事業承継のニーズ① 事業承継5ヶ年計画の策定
「事業承継をしたいが、やり方がわからない」「候補者がそもそもいない」といったニーズに応えるべく、中小企業庁は2017年の事業承継ガイドラインによって「事業承継5ヶ年計画」を定めました。
これは5年のうちに事業承継を集中してサポートすることで後継者不足を解消するための計画として位置づけられており、主な内容は以下の3点にまとめられます。
・経営者へ事業承継のニーズを認知させる
・後継者マッチング支援を強化
・高い経済能力がある人材を活用
当計画では事業承継の意義を経営者に知ってもらうことから始まり、ニーズを理解した上で後継者を探すためのマッチング支援を段階的に実施していきます。
事業承継のニーズ② 事業承継税制の拡充
贈与税や相続税の負担を大幅に軽減することで後継者の安定した事業運営を目指す「事業承継税制」は、「後継者候補が税負担を恐れて消極的になっている」と悩む創業者にとって非常に心強い制度だといえます。
事業承継税制が、事業承継へのニーズを増やすのに貢献しているのは間違いありません。
この制度を受けるためには知事から認定を受けなければなりませんが、活用すれば事業承継のチャンスが大きく開けますので、ぜひ活用しましょう。
事業承継のニーズ③ 事業引継ぎ支援センターの体制強化
事業承継5ヶ年計画に基づき、事業承継のマッチングを強化するという一環で、「事業引継ぎ支援センター」によるサポート体制の強化が図られています。
現在では小規模M&Aマーケットの形成により、中小企業の事業承継ニーズに柔軟に対応出来るようになったため、幅広い業種の事業承継が活発に行われるようになりました。
事業承継のニーズ④ M&Aニーズの増大
国内の経営者で最も多い年齢層は「60歳代後半」といわれており、事業承継を実現出来ないまま事業を畳んでしまうケースが後を絶ちません。
実際、廃業や休業をせざるを得ない会社の割合は、倒産する割合の3倍にも達するとのことで、よりスピーディーで後悔のない事業承継が急がれます。
だからこそ近年では、親族内継承ではなく、M&Aを主体とした事業承継が中小企業経営者から注目を集めています。
豊富な成功事例を持つ民間のM&A仲介業者も多数存在するため、今後はますます中小企業のM&Aニーズが増えてくることが予想されます。
事業承継を成功させるポイント
M&Aで事業承継を実行する場合は、後悔のないマッチングを実現するために、仲介業者の成約実績や専属のアドバイザーおよびコンサルティングの質などに注目するようにしましょう。
実績を残すことに執着し、創業経営者の想いや企業理念を軽視して「買い手優先」の仲介を行おうとする業者がいないとは言い切れません。
「出来るだけ費用を抑えたい」という経営者のニーズを逆手に取り、低品質な仲介サービスで野放図にマッチングの斡旋をする業者がいる可能性があります。
多少費用がかかったとしても、事業売却を決断した経営者(売り手)に寄り添う親身な仲介業者を選ぶことをおすすめします。
まとめ
少子高齢化や労働力人口の減少によって、今日の日本では中小企業の後継者不足が喫緊の課題となっています。
従来は血縁関係にある親族が事業を引き継ぐケースが一般的でしたが、それも難しくなってきているため、現在では「M&A」へのニーズがにわかに増えてきているといわれています。
「事業承継をしようと考えたこともあるが、候補がいないので諦めている」「息子に会社を継がせようとしたが、断られてしまった」
このような考えや経験をお持ちの方は、“親族内承継”というやり方に囚われず、M&Aという選択肢の可能性を検討してみてはいかがでしょうか。
M&Aは、日本全国にいるたくさんの経営者とつながりを持つことが出来ます。
もしかしたら、思ってもみなかった理想の事業承継者があなたの前に現れるかもしれません。
起業家に有益な情報を徹底してお届けする「創業手帳」から、日本初の事業承継に特化したガイドブック「事業承継手帳(無料)」 が創刊されました!事業承継を検討する創業者の方、これから新社長になる方、事業承継に関わる士業の方などに有益なノウハウや最新情報をお届けしています。あわせてご活用ください。