組織再編で事業を強化しよう!

中小企業の事業承継を成功させるためには、現在の経営状況を把握して、場合によっては事業を強化する必要があります。

事業の強化には組織編成が最適ですが、あらゆる種類や事例があるので自社に適した組織再編を行うべきです。

そこで今回は、事業承継を成功させるための組織再編について詳しく解説します。

 

起業家に有益な情報を徹底してお届けする「創業手帳」から、日本初の事業承継に特化したガイドブック「事業承継手帳(無料)」 が創刊されました!事業承継を検討する創業者の方、これから新社長になる方、事業承継に関わる士業の方などに有益なノウハウや最新情報をお届けしています。あわせてご活用ください。

 

組織再編とは?

組織再編は会社の組織を改善するために、事業を強化したり経営資源を有効活用したりすることで、株式交換や株式移転、合併、会社分割といった方法があります。

組織変更と混同されることが多いのですが、組織変更は法人格を維持しながら会社の形態を変えることで、他の企業と提携したり事業の一部などを吸収したりすることなので、組織再編とは異なります。

 

組織再編の種類

・株式交換による組織再編
・株式移転による組織再編
・合併による組織再編
・分割による組織再編

組織再編の主な方法は、上記の4点です。

それぞれについて詳しく解説しますので、事業承継を成功させたい経営者は参考にしてください。

株式交換による組織再編

株式交換による組織再編は、買い手が買収する予定の会社の株式を買い取り、その対価として自社株式を買収する予定の会社に交付する方法です。

株式交換では現金ではなく株式を用いるので、会社の買収に必要な現金がすぐに用意できない場合でも会社を購入することが可能です。

現金を用意することが難しい中小企業は、株式交換による組織再編を行うことで引き継ぎ先の傘下に入れるので、多くの企業が活用しています。

株式移転による組織再編

株式移転による組織再編は、新たに会社を設立してすでにある会社を100%子会社にする手法で、新設した会社がすでにある会社の株主から株式をすべて取得して自社の株式を割り振ります。

株式移転による組織再編は株式交換による組織再編とは違い、新しく会社を設立しなければならないので、持株会社を設立するケースがほとんどです。

株式移転による組織再編は、それぞれの会社が各自の独立性を維持できるので、経営統合のための組織再編とも言えます。

合併による組織再編

合併による組織再編は、2社以上の会社が契約をして会社を存続させたり解散させたりする方法です。

清算手続きをしなくても、解散する会社の権利・義務は新設会社や既存の会社に引き継がれ、解散する会社の従業員や株主は新設会社または既存の会社に移行され、維持されます。

合併による組織再編は、以下の2種類があります。

・吸収合併
・新設合併

それぞれについて見ていきましょう。

吸収合併

吸収合併による組織再編は、1つの会社を残して別の会社の権利・義務などを承継する方法で、会社や事業が成長・発展しやすく、事業承継を希望する会社を救済できるというメリットがあります。

事業承継を希望する会社の技術やノウハウ、営業権、従業員などを引き継ぐことができ、新会社を設立する場合と比べて費用を大幅に抑えることができます。

ただし、各都道府県の行政機関から取得する必要がある許認可については、吸収合併が行われる前後で許認可を申請をしなければならないケースがあります。あるいは一部の許認可だけが引き継がれ、他の許認可はあらためて申請しなければならないこともあります。

このように、許認可の種類によっては引き継がれないものがあることに注意してください。

新設合併

新設合併による組織再編は、合併に関係する企業が消滅し、新設会社に権利・義務などを引き継がせる方法ですが、許認可は承継されないので注意しましょう。

また、新しい会社を設立しなければならないため、時間と手間がかかるのがデメリットです。

吸収合併と新設合併は、解散する会社の数が異なることも覚えておきましょう。

分割による組織再編

分割による組織再編は、所有する事業の一部またはすべてを他の会社に引き継ぐ方法で、以下の2種類があります。

・吸収分割
・新設分割

それぞれの特徴や機能について詳しく見ていきましょう。

吸収分割

吸収分割は、事業を引き継ぐ側が分割する側もしくは株主に金銭や株式などの対価を支払うと完了します。

吸収分割は吸収合併と違って、分割後に企業が解散することはありません。

吸収分割で組織再編を行うと、会社の事業を一部またはすべてを他社に承継し、その対価として資本を受け取ることができます。

新設分割

新設分割による組織再編は、保有する権利・義務の一部または全部を新設会社に引き継ぐ方法で、分割する会社の株主に対して新設会社の株式を交付することで株主の権利が保持される仕組みになっています。

新設分割には2種類あります。

1つは「グループ内の再編」で、複数の事業部門を新設会社に移行することで経営の効率化を図るものです。

もう1つは、他社と事業を統合して事業を拡大したり相乗効果を得たり、企業ブランドを向上させたりするものです。

新設分割による組織再編は、自社が運営する事業をさらに活用するための方法と言えるでしょう。

 

適格組織再編なら税務上のメリットが生まれる?

・事業移転要件
・事業継続要件
・金銭等不交付要件
・継続保有要件

適格組織再編は上記の4項目を満たす組織再編で、適格組織再編が承認されると移転資産の譲渡損益を繰り延べることができるため、法人税の節税につながります。

適格組織再編は組織再編で発生する費用を抑えることができるため、事業承継に充てられる費用が限られている中小企業にとっては便利です。

ただし、組織再編を行う前に適格組織再編の要件を満たしているかどうかを確認し、そのスキームについても慎重にチェックしておきましょう。

 

関連企業を増やすために企業を買収する中小企業が増えている

中小企業では、新たに会社を設立して、それらを関連会社や子会社にするのではなく、他社を買収してそれらを子会社や関連会社として傘下に入れ、ビジネスを拡大する方法が採られるのが一般的です。

2015年頃から、他社を買収して企業規模を拡大する経営者が増えています。

既存の会社を買収するほうがコストを抑えられるだけでなく、ビジネスを拡大する時間を節約できるからです。

現在中小企業における事業承継は、親族または自社の役員や従業員に引き継ぐのではなく、M&Aによって会社を買収して事業を拡大する方法が主流です。

会社を売る側にとっては後継者問題が解消されるので、M&Aは売る側と買う側の双方にとってWin-Winと言えるでしょう。

経営者が高齢で後継者を探しているが見つからない会社や、経営不振で負債を抱えているので事業を承継したい会社は、組織再編やM&Aなどを視野に入れて、自社にとって最適な方法で事業承継を行いましょう。

 

まとめ

中小企業における後継者問題は深刻で、多くの企業が廃業をせざるを得ない状況にあります。

会社を廃業すると廃業コストがかかるだけでなく、今まで培ってきたノウハウや技術を失い、従業員が路頭に迷うことにもなりかねません。

しかし、現在はM&Aによって会社を買い取ってもらう形で会社を維持することができますが、そのためには組織再編によって会社や事業を売れる状態にしておかなければなりません。

組織再編は手続きが複雑で、会社の規模によって方法が異なるため、M&Aに詳しい専門家に相談した上で慎重に進めることをおすすめします。

 

起業家に有益な情報を徹底してお届けする「創業手帳」から、日本初の事業承継に特化したガイドブック「事業承継手帳(無料)」 が創刊されました!事業承継を検討する創業者の方、これから新社長になる方、事業承継に関わる士業の方などに有益なノウハウや最新情報をお届けしています。あわせてご活用ください。