スケジュールをしっかりと練ることが事業承継成功のコツ!

経営者不在という点で悩みを抱えている人もいれば、税金対策の方法がわからなかったり後継者の育成が難しかったりと悩む経営者もいます。

事業承継は1,000社あれば1,000通りあるといわれているほどで、各企業の状態や経営者・後継者の状況・会社の方針によって対策や必要な行動が変わります。

事業承継を進める上で重要なのが、事業承継に関するスケジュールの設定です。

なぜスケジュールが重要なのか、理由や期間の目安・組み方やポイントについて解説をしていきます。

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事業承継とは?


事業承継とは、会社や事業の経営権や社風・経営者の想いを後継者に引き継いでもらうことを指します。

引き継ぎ方は3種類あり、子どもや親族に託す「親族内承継」従業員や外部の第三者に引き継いでもらう「親族外承継」新しいビジネスを始めようと考えている起業家や経営者に引き継いでもらう「M&A」になり、それぞれの特徴を把握しておくことが必要です。

経営者が、どのように会社・事業を残して行きたいのかを考えた上で方向性を決めることが大切です。

スケジュールが重要な理由


事業承継は様々な方法が存在しますが、冒頭でも触れたように、スケジュール設定が成功率を左右します。

スケジュールが重要な理由は「課題の見落としがなくせるため」です。

事業承継は、1年や2年などの短期期間で終わる話ではなく、中長期計画になります。

何年もかけて進めていくと、対策できた部分と解決できていない箇所が、わからなくなりやすいです。

しかし、スケジュールがきちんと作り込まれていると、現在の状況を確認しやすいため、余裕を持って事業承継を行っていくことができます。

後継者・M&A先探しや育成・従業員や取引先との関係づくり・税金対策や承継後の運営計画など、事業継承においては、様々なことを考える必要があります。

一つも抜け落ちがないようにするためには、作り込んだスケジュール設定は役立つでしょう。

事業承継はどのくらいの目安でスケジュールを組むべき?


後継者がいる場合は後継者探しが必要ないため、5年から10程度の期間を目安にしてスケジュールを組むようにすると、事業承継が進みやすいです。

必ずしも10年にしないといけないわけではないですが、余裕を持った状態で課題を解決していくためには、5年から10年を目安にして進めるのがよいでしょう。

ただし、経営者が持病を持っている場合は、万が一の事態に備えたスケジュールを組んで進めておくのも好ましいです。

スケジュールの組み方・ポイント

  • 方向性や会社・経営者・後継者の明確化
  • 余裕を持った設定
  • 会社側のスケジュール
  • 経営者側のスケジュール
  • 後継者側のスケジュール
  • 事業承継実施のタイミング
  • 事業承継実施後のスケジュール

スケジュールを組む際には、上記の7つのポイントを意識して組むのがおすすめです。

それぞれのスケジュールの組み方について解説していきますので、参考にしてください。

方向性や会社・経営者・後継者の明確化

スケジュールを組む際に、まず考える必要があるのが方向性と会社・経営者の明確化です。

後継者が既に決まっている場合は、後継者の状況分析なども併せて行いましょう。

冒頭でも紹介したように、事業承継は主に3種類存在し、それぞれの方法によって必要な対策が異なります。

選択した方法や経営者の状態により、スケジュールを組むべき時期も変わるため、まずは、分析と明確化を行います。

余裕を持った設定

スケジュールは組んだとしても、必ずその通りに進むとは限りません。

税金対策などは進行しやすいですが、後継者の育成や後継者・M&A先探しは、タイミングや資質などによって左右されるため、なかなか予想が付きません。

中途半端な状態で終わらせてしまうと、事業承継の失敗につながってしまいます。

一つずつ課題解決をしていくためにも、余裕を持った設定を行いましょう。

会社側のスケジュール

会社側のスケジュールを組む場合は、売上高や経営利益・従業員の人数などを記載します。

また、それらは随時更新する必要があり、特に注目するべきなのは従業員の人数です。

従業員の人数は、贈与税や相続税に関する税金の支払いの猶予期間の設定や免除をしてくれる「事業承継税制の条件」に当てはまります。

特例措置によって致し方がない理由の場合は条件免除をしてくれますが、一般措置では従業員の雇用を8割維持する必要があるため注意してください。

経営者側のスケジュール

経営者側のスケジュールは、年齢や持ち株・役職などのスケジュールを組むようにしましょう。

生前贈与を行う場合は、評価額が下がったタイミングで贈与を行うのが好ましいため、株式の評価額を下げる計画とともに贈与するタイミングを練っていくのがおすすめです。

また、経営者が所有している持ち株数も記載しておくとわかりやすいです。

後継者側のスケジュール

後継者が見つかった場合は、後継者の年齢と役職・育成具合や関係者への通知などのスケジュールを組みましょう。

後継者育成に役立つスクールやセミナーの開催情報がある場合は、計画表に記入をしておくことで随時状況確認が可能になります。

経営者と同様に持ち株数も書いておくと、どのくらい譲渡できたのか把握できます。

事業承継実施のタイミング

スケジュールの中でも特に大切なのが、事業承継を実施していくタイミングです。

株式譲渡や株式の評価額が下がるタイミングなどを記載しておくと、全体の流れの把握ができます。

事業承継実施後のスケジュール

経営者の持ち株がゼロになり、後継者が想定していた範囲での持ち株になった時点で、事業承継の完了だと考える人も多いです。

しかし、後継者に経営権や株式などを託したとしても、全てが終わりというわけではありません。

譲り受けた会社を安定化して事業・会社の運営を行っていく必要があるため、事業承継後のスケジュールも組むようにしましょう。

相続や贈与税が発生する場合は、税金の支払いもあるため、経営状況を把握しておく必要があります。

補助金や事業承継税制を活用する際には、申請書類・銀行に融資を受けるための書類を、作成し提出する必要もあるため、事業継承後にもするべきことは多いです。

計画表の例

下記は事業承継に関するスケジュールを組む際に役立つ計画表の作成例です。

多くの企業が計画表の作成例・テンプレートを載せていますので、自社に合った計画表作成の参考にしてください。

【項目・構成の作成例】

基本方針:
1年目
令和〇年
2年目
令和〇年
3年目
令和〇年
4年目
令和〇年
5年目
令和〇年
6年目
令和〇年
7年目
令和〇年
8年目
令和〇年
9年目
令和〇年
10年目
令和〇年
売上高
売上高
売上高
経営者側
年齢
持ち株
役職
関係者への周知
その他記載事項:
後継者側
年齢
持ち株
役職
研修
その他記載事項:
専任の専門家: 税金対策: 借入金・個人保証の有無:
取引先の重要度:
事業承継に関する課題:

事業承継スケジュールの作成も手助けしてくれる!おすすめのコンサル会社5選

  • M&A総合研究所
  • AGSコンサルティング
  • 事業承継センター
  • OAGコンサルティング
  • 船井総研

上記の5箇所は、事業承継に必要な計画表の策定・スケジュール作成を手助けしてくれるおすすめのコンサル会社です。

それぞれの特徴について解説をしていきますので、事業承継を視野に入れている人は参考にしてください。

M&A総合研究所

M&A総合研究所は、M&A・事業承継仲介会社として知られていますが、事業承継の計画策定・スケジュール作成も支援してくれます。

後継者探し・M&A先探しが可能であるとともに、多くの企業と関わってきたノウハウ・知識を活かした提案・サポートを行ってくれる会社です。

M&A総合研究所は、事業承継士などの専門家と変わらないほどの知識を保有しており、初めての人でもわかりやすいようにサポートしてくれる点が魅力です。

AGSコンサルティング

AGSコンサルティングは、92人の税理士と73人の公認会計士が在籍している税理士法人で、51年以上に渡り多くの企業の経営サポートを行ってきた実績を持ちます。

事業承継に関する案件では年間200件以上対応しており、各会社に合った最適な戦略をスピーディーに実行してくれます。

スケジュール・計画の策定だけでなく、事業承継後の経営を安定化させる独自の後継者育成サービスを提供してくれるため、事業承継後も安心です。

事業承継センター

事業承継センターは、事業承継に関するプロフェッショナル「事業承継士」の育成を行っているコンサルタント集団です。

全国の金融機関や自治体・商工会議所などの公的機関とも連携しており、幅広いネットワークを活かした事業承継コンサルティングを行ってくれます

事業承継の計画策定・スケジュール作成だけでなく、相続・税務・財務支援や後継者育成のセミナーなども開催しているため、多くの経営者が利用しやすい会社です。

OAGコンサルティング

OAGコンサルティングは、事業承継の計画の書き方やスケジュールの組み方だけでなく、株価対策や納税資金・紛争対策・実行後のフォローなどといった、手厚い支援を受けることが可能なコンサル会社です。

冒頭でも紹介したように、事業承継は1,000社あれば1,000通りあるといわれていますが、OAGコンサルティングはフルオーダーメイドでの計画策定・支援を行ってくれるため、自社の状況に合わせた計画策定・スケジュール設定ができます。

船井総研

船井総研も事業承継コンサル会社の中で人気です。

企業経営・経営者自身・資産・知的財産を大切にしながら進めてくれます

事業承継を専門にサポートするコンサルタントが在籍しており、丁寧なヒアリングの下で計画書の策定やスケジュール設定を行ってくれます。

事業承継に向けた財務支援も行っているため、多くの実績を持つコンサル会社に依頼したい場合におすすめです。

まとめ

事業承継のスケジュール設定は、事業承継に伴う一つひとつの課題を解決してくれるキーポイントになります。

抜け落ちが出てしまうとトラブルに発展しやすく、経営も安定しにくいです。

事業承継は、きちんと対策を練っている企業でも失敗してしまうほどなので、成功率を高めるためにも計画書の作成・スケジュール管理は行っていきましょう。

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(編集:創業手帳編集部)