事業承継の計画作成・進行にチェックシートは役立つ!
事業承継は自分の会社・事業を残していくために必須ですが、具体的にどのように進めたらいいのかわからずに悩みを抱える人も多いのではないでしょうか。
事業承継を成功させるためには、しっかりとした計画の策定と事業承継に関する知識を把握しておきましょう。
計画の策定や契約・承継の実施時に役立ってくれるのが「事業承継チェックシート」です。
今回は、チェックシートを利用するメリットや具体的なシート例などを解説していきます。
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目次
事業承継とは?
事業承継とは、事業や会社を後継者へ承継していくことを指す言葉です。
多くの経営者が今まで守ってきた会社・事業を後世に残したいと考えますが、そのためには後継者を見つけて承継していくことが必要になります。
事業承継と一言でいっても、親族内で承継をしていく「親族内承継」や従業員へ承継していく「親族外承継」、他にも新規事業の起ち上げを考えている経営者や投資家に買収・合併をしてもらうM&Aなども存在します。
どの事業承継もしっかりとした対策を行った上で進める必要があり、準備を誤ってしまうと失敗してしまう可能性が高いです。
事業承継チェックシートとは?
多くの経営者が実施している事業承継ですが、しっかりとした計画を練って取り組むのが好ましいです。
その中でも課題を解決しながら事業承継を進めていくことができることで人気があるのが「事業承継チェックシート」になります。名前からも分かるように、事業承継を行う上で必要なポイントをチェック項目で確認できるシートです。
事業承継は税金対策や後継者・M&A先探し、後継者育成や様々な手続きなどが必要で、やるべきことは少なくありません。
やり残しがないよう、しっかりと対応できるようにサポートしてくれるのが事業承継チェックシートです。
チェックシートを利用するメリット
・事業承継を円滑に進めやすい
・起きやすいトラブルを事前に把握/対策ができる
・対策の抜け落ちを無くせる
・専門家に相談しやすい
チェックシートを利用するメリットは上記の4つが挙げられます。
それぞれのメリットについて解説をしていきますので、チェックシートが気になる人は参考にしてください。
事業承継を円滑に進めやすい
チェックシートを利用する最大のメリットといっても過言ではないのが「円滑に進められる」という点です。
事業承継は5年から10年の期間を目安に進めていくため、色々なことをしているうちについつい忘れてしまうポイントも出てくるでしょう。
事業承継時の課題をしっかりと解決して進めるためにも、チェックシートの利用はおすすめです。
起きやすいトラブルを事前に把握・対策ができる
事業承継に際に起こりがちなトラブルを、事前に対策できるようになる点もメリットとして挙げられます。
前述でも紹介しているように、後継者育成や従業員・取引先との関係づくり、税金対策などやるべきことはたくさんあります。
それぞれの課題に対してしっかりと対策を練ることでトラブルを防ぐことができるため、メリットは大きいです。
対策の抜け落ちを無くせる
事業承継を進めるためには、様々な作業が必要ですが、どの工程も重要な内容なので、ひとつでも見落としてしまうと事業承継の失敗につながる可能性があります。
チェックシートを利用することで対策の漏れをなくすことができるため、多くの経営者におすすめです。
専門家に相談しやすい
チェックシートを利用すると、事業承継を進めるために「どのくらい課題の解決ができているのか」「どこが課題になっているか」「対策ができていない場所はどこか」などを明確にできます。
解決するべき課題がはっきりすると、専門家の人が見た際に状況を判断しやすくなります。
専門家との相談に時間をかけ過ぎないようにするためにも、チェックシートの利用はおすすめです。
事業承継のチェックシートはどのような内容?
事業承継チェックリストはどのような内容が記載されているか、気になる人も多いのではないでしょうか。
下記がチェックシートで記載されていることが多い主な例となります。もちろん作成している機関や団体によって、チェックシートの内容は異なります。
チェックシートの利用を検討している人は下記を参考にしてみてください。
【事業承継のチェックシート例】
タイトル | チェック欄 | |
---|---|---|
No.1 | 経営リスクや経営資源など会社の現状の明確化ができているか | |
No.2 | 経営者の個人財産や負債を分析・明確化できているか | |
No.3 | 会社・事業に適した後継者をリストアップできているか | |
No.4 | 相続税や贈与税などの税金対策ができているか | |
No.5 | 事業承継に関する方向性が定まっているか | |
No.6 | 後継者・M&A先の意思確認が取れているか | |
No.7 | 従業員や取引先との顔合わせ・関係づくりができているか | |
No.8 | 後継者の育成ができている・進んでいるか | |
No.9 | 事業承継に関する計画の策定ができているか | |
No.10 | 事業承継後の具体的な計画が練られているか |
そのまま使える!おすすめチェックシート
・日本弁護士連合会
・事業承継ガイドライン20問20答
・相続税理士田中雅幸事務所
事業承継時に役立つチェックシートの内容例について解説をしましたが、上記の3箇所に掲載されているチェックシートもそのまま使えて便利です。
続いては、具体的にどのような内容なのか解説をしていきますので、チェックシートの利用を検討している人は参考にしてください。
日本弁護士連合会のチェックシート
日本弁護士連合会は、東京都千代田区にある弁護士のスペシャリストが集まる団体です。事業承継時のトラブルを防げるチェックシートが掲載されています。
経営者向き・後継者向きの2種類のチェックシートに分かれています。
事業承継や相続・贈与に関する相談も受け付けていますので、想定されるトラブル・問題が多い場合は相談をしてみましょう。
事業承継ガイドライン20問20答に基づくチェックシート
事業承継ガイドライン20問20答は、中小企業庁が作成している事業承継時に役立つガイドラインです。
ガイドラインはWeb上でも掲載されていますが、100ページほどあるため、すべての内容を完全に頭に入れるのはなかなか難しいでしょう。
多くの経営者にわかりやすいよう、イラスト付きの簡単な冊子に変えられているのが「事業承継ガイドライン20問20答」です。
20問20答の中には上記のようなチェックシートが掲載されているため、ひとまずチェックシートを利用したい人にもおすすめします。
相続税理士田中雅幸事務所
相続税理士田中雅幸事務所は、名古屋にある税理士事務所です。
税務大学校で職員の教育指導や国税局・税務署の資産税関係部署で審理事務や路線価等の相続税評価の基となる、土地評価基準の作成を行っていた田中正幸さんが開いている事務所になります。
税務に関するスペシャリストですが、相続税理士田中雅幸事務所のホームページでは、贈与税や相続税に関するダウンロード可能なチェックシート(PDFファイル)が掲載されています。
事業承継税制の特例措置に関するチェックシートや一般措置に関するシートなどもあり、目的に合わせたチェックシートが掲載されているため、多くの経営者の役に立つでしょう。
ビデオ通話での相談にも対応していますので、ぜひ遠方の方も相談・チェックシートの利用を検討してみてください。
チェックシートとあわせて利用したい!おすすめの相談先
・税理士法人チェスター
・M&A総合研究所
・事業引継ぎ支援センター
上記の3つは事業承継に長けているおすすめの相談先です。
それぞれの相談先の特徴について解説をしていきますので、参考にしてください。
税理士法人チェスター
税理士法人チェスターは200名以上の税理士が在籍しており、相続税の相談件数も20,000件を超えている相続税に長けた税理士法人です。
東京・大阪・名古屋・福岡と主に都心部に拠点があるため、足を運びやすいのがメリットです。
事業承継に関する相談対応数も多いため、多くの企業と関わってきた知識・ノウハウを活かした提案をしてくれます。
M&A総合研究所
M&A総合研究所は事業承継・M&A仲介会社として知られています。
マッチング支援サービスも充実していますが、M&A総合研究所の魅力は何と言っても莫大な知識・ノウハウを蓄積しているという点です。
実際に、M&A総合研究所のHPでは事業承継やM&Aに関する情報発信も行われており、融資についてや税制の利用・補助金の活用方法など細かいジャンルに分けた情報が配信されています。
初めての人でも事業承継について理解しやすいため、相談や仲介だけでなく情報収集としてもおすすめです。
事業引継ぎ支援センター
事業引継ぎ支援センターは独立行政法人「中小機構」が運営を行っており、47都道府県の全国各地に拠点が存在します。
全国各地に拠点があるため、どの経営者でも足を運びやすく、事業承継を知らずに相談した人でも「紹介や提案を受けて事業承継に成功した」という事例が多く挙がっています。
事業承継に関して特化しているからこそ多くの企業が相談し、様々な公共機関との提携を行っているため、幅広いネットワークを活かした提案をしてくれます。
まとめ
事業承継チェックシートは多くの経営者・後継者におすすめです。事業承継を円滑に進めたい場合、大いに役立つでしょう。
一つひとつの課題解決がしやすくなる上に、現状把握や課題の明確化ができるため、チェックシートを利用することで計画策定もスムーズに進められるようになります。
「事業承継を成功させたい」と考えている人は、チェックシートの利用を検討してみてください。
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(編集:創業手帳編集部)