事業承継を成功させるためにはコツ・ポイントを知っておくことが重要!
会社・事業を残していくためには事業承継が必要ですが、ポイントを押さえて実施しないと、失敗してしまう可能性があります。
実際に有名企業・店舗でも、事業承継に失敗しているほどです。
事業承継を成功させるポイントは多数あるので、必要な準備やおすすめの相談先について解説していきます。
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事業承継とは?
事業承継は、会社の経営権とともに、想いや社風などを後継者に承継していくことを指す言葉です。
一般的には子どもや親族間へ託していく「親族内承継」を思い浮かべる人が多いですが、他にも従業員に託していく「従業員承継・親族外承継」や、新しいビジネスを始めようと考えている起業家・経営者に買収・合併をしてもらう「M&A」なども存在します。
事業承継は必ずしも成功するとは限らず、失敗してしまっている企業も多いため、コツやポイントをおさえておくことが大切です。
事業承継を成功させるための10個のポイント
- 方向性をしっかりと決める
- 会社や経営者・後継者の現状・課題の明確化
- マッチング支援サービスの利用
- 事業承継に強い専門家に相談
- 節税対策
- 事業承継に関する知識をつける
- 後継者育成の徹底
- 後継者以外の相続人のフォロー
- 従業員や取引先との関係構築
- 補助金や税制の活用
事業承継を成功させるためには、上記の10個のポイントが存在します。
それぞれのポイントについて解説をしていきますので、事業承継を成功させたいと考えている人は参考にしてください。
ポイント①方向性をしっかりと決める
事業承継を成功させるポイントとして最初に意識していただきたいのが「方向性」です。
前述でも紹介したように、事業承継は親族や従業員に託す方法・外部の人に託す方法があります。
それぞれの方向性に合わせた対策を行っておかないと、失敗してしまう可能性が高いです。
まずはどのように会社・事業を残していくのか考えるようにしましょう。
ポイント②会社や経営者・後継者の現状・課題の明確化
方向性が決まった後は、現状の把握や明確化が必要になります。
会社や経営者・後継者(候補者)の現状について分析を行ってください。
会社の現状把握ができていると、専門家に相談しやすい上に、課題の明確化ができやすいです。
重要なのが経営者の現状把握で、体調などを把握しておかないと、事態が急転する可能性もあります。
ポイント③マッチング支援サービスの利用
事業承継を成功させるポイントとして「マッチング支援サービス」の存在も知っておくようにしましょう。
経営者と事業・会社を継ぎたい人をマッチングさせるサービスが多く登場しています。
マッチング支援サービスでは、M&Aや事業承継に携わってきた専門家による支援を受けることも可能です。
専門家に相談しながら自社に合った後継者・M&A先を見つけることができるため、多くの経営者におすすめです。
【おすすめマッチング支援サービス】
- BATONZ(バトンズ)
- M&A総合研究所
- TARNBI(トランビ)
- 事業承継総合センター
ポイント④事業承継に強い専門家に相談
成功させるポイントとして、事業承継に強い専門家を探すようにしましょう。
多くの企業では顧問弁護士や顧問税理士などが存在しますが、弁護士や税理士・公認会計士であったとしても、必ずしも事業承継に詳しいとは限りません。
事業承継士の資格を所有している人は、弁護士や税理士・公認会計士の中でもごくわずかです。
事業承継は1,000社あれば1,000通りのあるといわれているほどなので、ノウハウや知識を持った専門家に相談をするのが、成功へと近づくポイントになります。
ポイント⑤節税対策
事業承継は、節税対策も意識するようにしてください。
中でも注意深く調べておかないといけないのが、相続税と贈与税です。
相続税の場合は単純な節税対策を行うだけでなく、法定相続人を明確化して後継者以外の人に対してもフォローが必要になります。
節税対策では不動産の活用や生命保険の活用・株価引き下げなど様々な方法があるため、専門家と相談をしながらそれぞれの税金に合わせた対策を行っていくのが好ましいです。
ポイント⑥事業承継に関する知識をつける
経営者や後継者は、事業承継に関する知識を多少でよいので身につけましょう。
専門家に丸投げをしてしまう経営者も少なくありませんが、途中でも紹介しているように、会社・事業ごとに合った事業承継対策を行わなければ失敗する可能性があります。
専門家だけに頼らず、経営者や後継者自身が事業承継に関する知識を身につけることで、専門家の話を理解しやすく、銀行に融資してもらう場合でも話を進めやすいです。
【おすすめの参考本】
著者 | 金額(Amazon) | |
---|---|---|
100年続く企業を目指す! 二代目社長のための事業承継読本 | 音田 崇幸 (著) | 880円~ |
社長、会社を誰に、どう継がせますか?~事業承継の新しい教科書~ | 門澤慎 (著), 佐奈徹也 (著) | 880円~ |
専門家のための事業承継入門 事例で学ぶ! 事業承継フレームワーク | 事業承継支援研究会 (著) | 2,495円~ |
ポイント⑦後継者育成の徹底
次に、必要なのが「後継者の育成」です。
従業員や子どもが会社・事業を承継する場合は、経験が不足している場合が多いです。
従業員だと仕事をしている経験があったとしても、経営についての経験がない場合がほとんどでしょう。
実際に、帝国データバンクによる調査結果では、事業承継を実施する中で特に苦労したポイントとして挙がっています。
【事業承継を行う上で苦労したこと 対象:3,719社】
苦労したこと(複数回答あり) | % | |
---|---|---|
1位 | 後継者の育成 | 48.3 |
2位 | 相続税や贈与税等の税金対策 | 31.7 |
3位 | 自社株などの資産の取り扱い | 30.5 |
4位 | 後継者の決定・選定 | 28.2 |
5位 | 後継者への権限の移譲 | 26.4 |
参照:帝国データバンクによる調査結果
ポイント⑧後継者以外の相続人のフォロー
遺産分割はもめやすく、法定相続人の中に後継者がいた場合、後継者以外の法定相続人に対してそれ相応の資産を分割するようにしていなければトラブルにつながります。
トラブルを生まないためにも、後継者以外の相続人に対してもしっかりと考えるようにしましょう。
ポイント⑨従業員や取引先との関係構築
従業員が事業承継を行う場合は周囲の理解を得やすいですが、外部から後継者を入れる場合には関係構築が必須です。
子ども・親族であっても今まで会社で働いていなければ、ゼロから関係づくりを始めないといけないため、時間をかけて関係構築を行うようにしましょう。
事業承継時には、従業員や取引先が将来に対して不安を抱きやすいです。
関係構築ができていないと、離職率を高めたり取引が終わってしまったりする可能性もあります。
ポイント⑩補助金や税制の活用
事業承継では、補助金や税制の活用にも注目するようにしましょう。
現在、超高齢化が進み、将来的に今の労働生産性が約半分近くまで低下すると危惧されているほどです。
労働生産性が低下してしまう要因としては、事業承継も関係しており、後継者が未定・決まらないため廃業・解散を視野に入れている中小企業も少なくありません。
多くの中小企業が事業承継に取り組みやすいように、国が税制や補助金を出しています。
中でも事業承継税制や引継ぎ補助金が活躍してくれるため、事業承継を考えている場合はどちらも調べておきましょう。
事業承継に強いおすすめの相談先
- 事業支援引継ぎセンター
- M&A総合研究所
- 税理士法人チェスター
- 税理士法人山田&パートナーズ
事業承継を成功させるためのポイントでも解説しましたが、事業承継は詳しい専門家に相談するのがおすすめです。
上記の4箇所は多くの企業から事業承継に関する相談を受けており、多くの企業と携わってきた知識やノウハウを活かした提案をしてくれます。
それぞれの相談先の特徴について解説をしていきますので、10個のポイントと合わせて参考にしてください。
事業支援引継ぎセンター
事業支援引継ぎセンターは、独立行政法人「中小機構」が運営をしており、47都道府県全国各地に拠点が存在します。
全国各地に拠点があることから、多くの経営者が足を運びやすく、また、事業承継を専門にしているため、様々なノウハウを蓄積しています。
実際に事業承継の成功体験談などもWeb上で挙がっていますが、事業支援引継ぎセンターからM&A先を紹介してもらい、成功したという声も多いです。
M&A総合研究所
M&A総合研究所は事業承継・M&A仲介会社の中でも高い人気を誇ります。
着手金なしの完全成功報酬制になるため、じっくりと時間をかけて後継者・M&A先を探すことも可能です。
M&A総合研究所が優れている点は、事業承継やM&Aに関する知識です。
また、事業承継やM&Aに関する情報が随時配信されており、初めての人でもわかりやすい内容にまとめられているため、参考にするのも良いでしょう。
専門性に長けたスタッフの支援を受けながらマッチング先を探せるため、多くの経営者におすすめです。
税理士法人チェスター
税理士法人チェスターは、事業承継の中でも重要な、相続税に強い税理士法人としても知られています。
東京や大阪・福岡など全国7拠点存在し、従業員も200名以上と規模が大きいです。
ビデオ通話による面談にも対応しており、初回は無料で面談を行ってくれます。
税務調査対策や事業承継と絡めた遺産分割の方法なども提案してくれるため、相続税がかかるかもしれないと考えている場合におすすめです。
税理士法人山田&パートナーズ
税理士法人山田&パートナーズは、税理士法人の中でも事業承継に長けていることで人気があります。
相続税や贈与税に詳しいだけでなく、事業承継やM&Aコンサルティングも実施しています。
丁寧なヒアリングの下で計画の策定や対策の提案を行ってくれるうえに、事業承継後もフォローしてくれるため、安心して任せることができるでしょう。
まとめ
事業承継を成功させるためには、様々なポイントを押さえて行動する必要があります。
一言で「事業承継」といってもやることは多く、一つひとつの課題に合わせた対策を行うことで、成功率を高めることが可能です。
円滑な事業承継のためにも、課題の明確化や現状把握はしっかりと行うようにしましょう。
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(編集:創業手帳編集部)