事業・雇用・顧客。それが事業承継の理由になる。

「体力的に経営を続けるのは厳しいが、会社を畳みたくない」

「廃業するより事業を引き渡したほうが楽」

「社員の雇用を守りたい」

事業承継を決断する理由は経営者によって様々です。早めに計画を立てて行動すれば円滑に事業承継を実現することが出来ますが、急な対応ではなかなかうまくいきません。

病気、事故、ケガなど……“まさか”の不足の事態も考えられますので、「まだまだ現役で頑張るつもりだ」と考えている方も、これを機会に、ぜひ事業承継の準備を始めることをおすすめします。

本記事では、「なぜ事業承継を行うのか?」という理由について掘り下げていくとともに、スムーズに事業承継を実現するためのノウハウについて解説していきます。

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事業承継をする理由

・理由① 事業の廃業や倒産をさせたくない
・理由② 後継者がいるので引き継ぎさせたい
・理由③ 取引先や顧客との関係性を維持したい

事業承継を“しない”という選択肢をとる中小企業経営者は、決して少なくありません。

その理由として「贈与税や相続税の対策が大変」「そもそも後継者がいない」「業界的に続けていくことが難しい」といったことが数々挙げられます。

確かに税金対策や後継者選びは、一筋縄ではいかないのが現実ですし、業界の将来性についても、簡単に解決できるようなことではないのも確かです。

しかし、現在は政府が主導になって事業承継を推進していますので、適切な相談窓口を介して事業承継の専門家にアドバイスをもらったり、民間が運営するM&A仲介業者を利用して事業承継者を探したりすることも出来るようになりました。

相談窓口は、事業承継が「できない理由」を「できる理由」に変える経営者の心強い味方です。まずは一度、気軽に相談してみましょう。

理由① 廃業したくない

事業承継を行う理由のなかで最も多いのは、やはりなんといっても「廃業したくない」が挙げられます。

会社に対する思い入れもありますし、廃業を選択することで社員の雇用を守れなくなるというのも大きな理由の一つです。

理由② 後継者を育てて会社を託したい

「会社を継がせたい後継者がいる」というのは、やはり経営者冥利に尽きますよね。

長年の経営者人生で培ったビジネスのノウハウや理念を後継者に教え、育てたいというのは、事業承継の立派な理由です。

後継者が身内・親族の場合は贈与税や相続税の対策を行う必要がありますので、税理士などに相談しましょう。

従業員・役員・外部の者に事業承継を行わせる場合は、自社株と経営権の扱いをどうするかを考えなければなりませんので、事業承継アドバイザーなどの助言に従って計画を立てていくことをおすすめします。

理由③ 取引先や顧客との関係性を維持したい

事業承継を行う理由には、他にもこういったものがあります。

「廃業をしてしまったら、取引先が困ってしまう」「長年お世話になっている顧客を裏切りたくはない」

みなさんにも、お心当たりはありませんか?

実はこのような取引先や顧客との関係を理由に事業承継を決断する経営者もたくさんいるのです。

確かに地域密着型の事業を展開している中小企業なら、廃業によってもたらす地域経済への影響は図り知れませんよね。

その意味では、経営者はいつどのタイミングでも事業承継を果たせるような事前準備を“元気なうちに”始めておくのがベストだといえるでしょう。

事業承継の種類

事業承継を行おうとする理由は経営者によって様々ですが、それによって適切な事業承継方法も異なります。

親族内での事業承継

子どもや血縁関係者に引き継ぐことを、「親族内承継」といいます。

「従業員や取引先の理解や協力を得やすい」「後継者が決まり次第、計画的に準備を始められる」といった理由から、親族内承継は選択肢としてメリットがあります。

ただし、贈与税や相続税の対策をしっかり行っておかなければ不毛なトラブルを引き起こしてしまいますので、くれぐれも注意しましょう。

「事業承継後にどれくらいの税金が発生するのかわからない」「現在の株式評価額がわからない」といったことを理由に躊躇う方もいらっしゃいますが、税理士に依頼すれば的確に試算をしてくれますので、まずは相談してみることをおすすめします。

親族外での事業承継

身内・親族関係にない他人に事業承継させることを、「親族外承継」といいます。

近年では、「子どもが都会で働いていて、家業を継ぐ意志がない」といった理由で、信頼できる従業員や役員に会社を継がせようとする経営者が増えてきています。

親族外承継は、大きく分けて2パターン。

「自社株を親族が保有し、経営権だけを外部の者に承継する」と「自社株・経営者の両方を譲渡する」です。

M&Aで事業承継

おそらく多くの中小企業経営者は、「自分にはM&Aなんて無縁だろう」と思っているのではないでしょうか。

しかし、それは昔の話。現代は中小企業も積極的にM&Aを行って事業承継をする時代に突入しています。

後継者不足はもはや理由になりません。民間が運営するM&A仲介業者を活用して、全国から理想の事業承継者を探してみましょう。

まとめ

「これからも会社を存続させたいが、体力的に限界……」

「後継者を育ててみたい」

「社員の雇用を守りたい」

「取引先や顧客との関係を守っていきたい」

経営者が事業承継を決断する理由は様々ですが、近年では後継者不足が顕著な問題として政府にも認識されており、昔よりも円滑な事業承継を実現することが難しくなっているといわれています。

しかし、事業承継に関する相談窓口の拡充や、民間運営のM&A仲介業者の増加によって、誰でも理想の事業承継を目指せるようになりました。

「事業承継がしたい!」と思ったときが吉日です。まずは一度、税理士や事業承継の専用窓口に相談してみましょう。

事業承継の専門家たちが、みなさんの「できない理由」を「できる理由」に変えるお手伝いをしてくれるはずです。

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