事業承継に関する専門用語には英語などの難しい言葉が満載
2025年には、中小企業の半分近くの経営者が引退の時期を迎える「超高齢化社会」に突入すると言われています。
高齢化によって多くの企業が廃業・解散する恐れがあり、事業承継に悩んでいる経営者は少なくありません。
事業承継に関する専門用語には英語などの難解な言葉が多く、学習意欲があっても挫折してしまう人も多いでしょう。
そこで今回は、事業承継に使われる専門用語を重要度ランク別に解説していきます。
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目次
事業承継・M&Aで重要なビジネス用語・英語【重要度ランク★★★】
・M&A
・事業承継
・親族内事業承継
・社内事業承継
M&A(Mergers and Acquisitions)
M&Aとは「Mergers & Acquisitions」の略称で、買収と合併を意味する言葉です。
自社を他の企業や投資家に買収・合併してもらうことによって、経営者は売却益を確保できるとともに従業員の雇用を維持できます。
事業承継(Business succession)
事業承継を英語にすると「Business succession」になります。
事業承継には、「親族内承継」と「親族外承継(社内事業承継)」、「M&Aによる承継」の3つがあり、経営権や会社の資産を後継者に引き継ぐことを意味します。
事業承継時には相続税や贈与税などが発生するため、あらかじめ税金対策を行うことも大切です。
親族内事業承継(Interfamilial Succession)
「親族内事業承継(Interfamilial Succession)」は、経営者の親族に事業を承継する手法のことです。
承継がスムーズに進められそうなイメージがありますが、後継者の経営経験が少ないと育成に時間がかかることがあります。
「社内事業承継(Succession to unrelated person)」とは、親族以外の従業員に会社を承継する手法です。
従業員への承継は親族内承継と比べて育成が容易であるものの、後継者の選定が難しく、経営者の意志が引き継がれにくいという難点があります。
事業承継・M&Aで重要なビジネス用語・英語【重要度ランク★★】
・売り手価値
・クロージング
・M&Aアドバイザー
・事業譲渡
・株式交換
・買収ファンド
・適正市場価値
・ロング・リスト
・買収プレミアム
売り手価値 (Seller’s Value)
「売り手価値 (Seller’s Value)」は、会社の売り手である経営者から見た自社の適正市場価値を意味します。
逆に買い手から見た市場価値を「買い手価値(Buyer’s Value)」と言います。
自社の売り手価値が高くても、買い手価値が低いとM&Aが成立する可能性は低いです。
クロージング (Closing)
「クロージング (Closing)」は、経営者が株券や株主名簿などを引き渡し、買い手が売買代金を決済する手続きを意味します。
事業承継だけでなく、営業活動を行う際にも登場するビジネス用語であるため、ご存じの方も多いでしょう。
M&Aアドバイザー
「M&Aアドバイザー」は、事業承継を行う経営者にM&Aに関するアドバイスを行う人のことです。
M&A戦略の策定や候補者の選定などを担っており、M&A仲介会社が専門知識を持つスタッフをM&Aアドバイザーとして各顧客の担当に指定します。
事業譲渡 (Asset Purchase)
「事業譲渡 (Asset Purchase)」は、会社の資産の全部または一部を他企業に譲ることを意味する言葉です。
注意点として、資産譲渡には借入金などの負の資産も譲渡されることも理解しておきましょう。
買い手には、必要な資産だけを選択して取得する方法もあります。
株式交換 (Stock-for-stock Exchange)
「株式交換 (Stock-for-stock Exchange)」は、売り手が買い手企業の100%子会社になることを条件に、売り手と買い手が保有する株式の交換を行うことです。
買い手企業にとっては、買収の対価として新株を発行すると買収資金が不要になる点がメリットです。
買収ファンド (Buy-out Fund)
「買収ファンド (Buy-out Fund)」は、売り手から企業を買収し、企業価値を高めた上で第三者へ売却を行う投資ファンドのことを意味します。
売り手にとっては、保有する企業を現金化して売却益を確保できるというメリットがあります。
適正市場価値 (FMV, Fair Market Value)
「適正市場価値 (FMV, Fair Market Value)」は、M&Aを行う際に売り手企業に関する十分な情報と市況に基づいて算出される企業価値です。
適正市場価値が低いと買い手が集まらず、低い価格で会社を売却することになります。
同業者などの相場を確認し、適正市場価値が低い場合は企業価値を高めるための対策を行うと良いでしょう。
ロング・リスト (Long List)
「ロング・リスト (Long List)」は、売上高や経常利益・従業員数などを精査し、買収候補となる数十社を選定した企業リストを意味します。
ロング・リストから買収の優先順位を決定して、交渉時に役立てることができます。
買収プレミアム (Takeover Premium)
「買収プレミアム (Takeover Premium)」は、適正市場価格を超える買収額を意味します。
買収プレミアムが大きいほど、売り手は高い売却益を手にすることができます。
事業承継・M&Aで重要なビジネス用語・英語【重要度ランク★】
・財務アドバイザー
・配当還元法
・民事再生M&A
・リスケ
財務アドバイザー
「財務アドバイザー」は、財務関連のアドバイスを行ってくれる人のことです。
M&A戦略の策定や交渉相手の選定などもサポートしてもらえる場合があります。
配当還元法(Ⅾividend Discount Method)
「配当還元法(Dividend Discount Method)」は、将来的に見込まれる配当や現在価値の合計から株主価値を算出する方法です。
株主への配当金に企業の収益性が正しく反映されている場合は、正確な株主価値を計算することができます。
民事再生M&A
「民事再生M&A」は、過剰債務を抱えている会社が民事再生法の適用を受けながらスポンサーに事業譲渡を行う方法です。
私的整理などの債務整理手続きを行いつつM&Aを実施する方法を「再生型M&A」と呼びます。
リスケ (Rescheduling)
「リスケ (Rescheduling)」は、リスケジュールを意味する言葉です。
ビジネスの世界においては、金融機関への借入金の返済が困難になった際に、金融機関に借入条件の変更を依頼することを指します。
リスケ管理を疎かにすると会社が倒産してしまう可能性があるため、細心の注意を払うようにしましょう。
まとめ
事業承継やM&Aに関する専門用語には難しい言葉が多いですが、基礎知識として少しずつ覚えていくと良いでしょう。
実際に使われる場面をイメージすると意味が理解しやすくなるので、業務上のコミュニケーションに取り入れることで事業承継やM&Aへの知識が深まります。
専門用語を覚えれば、事業承継コンサルタントのアドバイスを理解しやすくなるでしょう。
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(編集:創業手帳編集部)