事業承継を考えている場合は進め方を把握しておこう!

会社や事業を未来へとつなげるために必要な事業承継は、多くの経営者が考えているものの、後継者不在問題や節税対策・後継者育成など様々な課題が存在するため、苦戦している企業も多いです。

また、事業承継を行っても、成功する企業と失敗する企業に分かれます。

事業承継を成功させるための、基本的な進め方や専門家の選び方などを解説していきます。

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事業承継とは?


事業承継とは、会社や事業の経営権、経営者の想いや社風をそのまま引き継いでもらうことです。

事業承継は、子どもや親族への「親族内承継」や従業員への「従業員承継・親族外承継」、事業拡大を考えている経営者や投資家に買収・合併をしてもらう「M&A」が挙げられます。

どの方法もそれぞれ違った対策が必要なので、どの承継を選ぶのかをまずは考えることが必要です。

事業承継の基本的な進め方!8つのステップ

基本的な知識や進め方を把握していない企業は、失敗率が高いです。

まずは、事業承継の基本的な進め方を8つのステップに分けて解説をしていきますので、参考にしてください。

STEP.1:準備の必要性の認識

事業承継を実施していく前に、多くの経営者に知っておいていただきたいのが「準備の必要性」です。

たとえば、経営者の身に万が一のことが起きた場合には、事態が急変するため準備も必要になります。

入念な準備が事業承継の成功のカギを握ります。

準備期間をしっかりと作って、事業承継に挑むようにしましょう。

STEP.2:経営状況の把握や経営・経営者の状況把握・分析

事業承継では、会社や経営者の状況分析を行うようにしてください。

会社や経営者の状況分析をしっかりと行うことによって、後継者に会社・事業を託す際の課題なども見つかります。

会社や経営者の状況分析を行っていると、専門家に相談する際にもスムーズです。

経営者が持病を抱えている場合は、持病に関する経過報告なども事業承継の計画に追加することで、万が一に備えた行動を行うことができるでしょう。

STEP.3:事業承継に向けた経営改善

次は、課題に沿った経営改善を行います。

すぐに解決できない課題であれば、事業承継を進めながら改善行動も計画に組み込むようにしてください。

STEP.4:後継者選定

後継者選びは、経営改善を行いながら実施しましょう。

子どもや親族、あるいは従業員に承継しようと考えている場合は後継者候補が見つかりやすいです。

しかし、会社・事業を守っていける適正者を選ぶ必要があります。

経歴や社会経験・周りからの人徳やスキルなど様々な観点を考慮して、後継者を選定するようにしてください。

後継者がいないという場合は、下記のようなマッチング支援サービスの利用がおすすめです。

【おすすめのマッチング支援サービス】

  • 事業承継マッチング支援(日本政策金融公庫)
  • BATONZ(バトンズ)
  • TRANBI(トランビ)
  • M&A総合研究所

STEP.5:事業承継計画の策定

事業承継に関する計画書を作成する場合は、下記の項目を記載するのがおすすめです。

  • 事業承継前から承継後のタイムスケジュール
  • タイムスケジュールに合わせた経営者と後継者の年齢
  • 売上高・経営利益
  • 従業員の人数
  • 後継者・経営者の役職の変わり方
  • 取引先や従業員・家族などの関係者に対する理解
  • 株式・財産の分配・持ち株
  • 後継者の教育スケジュール
  • 従業員や取引先への周知スケジュール

もし、事業承継後に新しいビジネスを始めようと後継者が考えている場合は、新しいビジネスに対する計画書の作成も行っておくと、補助金の申請を行う際にも活躍します。

税制を利用する際には、従業員の人数などが重要になるため、きちんと記載をしていくようにしましょう。

STEP.6:専門家探し

事業承継は内容が難しいため、詳しい専門家を探すようにしましょう。

事業承継に関する資格は多く存在し「事業承継士」や「事業承継プランナー」「事業承継アドバイザー」などがあります。

税理士や弁護士・公認会計士の中にも事業承継に詳しい専門家がいますが、プロに依頼・相談したいと考えている場合は、一般社団法人「事業承継協会」から「事業承継士」などの資格を保有する人物を探すことができるため、利用するのもおすすめです。

専門家が決まった後は、計画の打ち合わせや節税対策について練っていくようにしましょう。

STEP.7:後継者の育成や従業員や取引先との関係作り

専門家の選定が終わった後は、専門家と二人三脚で事業承継について進めていきますが、後継者が決まった後は、後継者の育成や従業員・取引先との関係づくりを実施しましょう。

経営者が変わると従業員や取引先も不安を抱えるため、従業員や取引先との関係づくりは重要です。

関係構築はすぐにできるものではないため、時間をかけて少しずつ後継者について知ってもらうようにしてください。

後継者の育成については、近年スクールやセミナーなどが多く開催されているため、参加するのがおすすめです。

STEP.8:事業承継の実施と承継後の分析・改善

事業承継では、課題が出ていないか定期的に行動分析を行い、もし課題が出た場合は行動改善を行って解決していくのが好ましいです。

また、事業承継後に相続人や後継者とのトラブル・税金の支払いによる経営不振などが起きる企業も少なくありません。

事業承継後もしっかりと経過を見ながら分析・改善を行っていくことが重要です。

事業承継の支援を行ってもらう専門家の選び方

  • 顧問弁護士・税理士に絞らない
  • 資産税に強い税理士などを探す
  • 親身になった対応をしてくれる人物に決める
  • 事業承継専門機関から探す

専門家選びを誤ってしまうと失敗してしまう可能性が高いです。

どのようなポイントを意識して専門家を選ぶべきなのか解説をしていきますので、進め方と併せて参考にしてください。

顧問弁護士・税理士に絞らない

会社を運営していくうえでは顧問税理士などに仕事の依頼を行う企業がほとんどですが、事業承継を相談する場合は、顧問だからといって絞り過ぎないようにしましょう。

事業承継は他の事案と比べて少し特殊なため、他の案件と比べると相談件数も少ないです。

そのため、効率を考えて確定申告や税務申告などに力を入れている税理士が多くなっています。

弁護士や税理士・公認会計士だからといって必ずしも事業承継に詳しいわけではないため、事業継承について経験数が少ないようであれば専門家に相談するのがおすすめです。

資産税に強い税理士などを探す

相続税や贈与税に関する話を重点的に行いたい場合は、資産税に強い税理士を選ぶようにしましょう。

Webなどを利用して探す場合は、具体的にどのような特徴があるのか、体験談やケース・資産税に詳しい内容などが記載されている場所を選ぶのがおすすめです。

親身になった対応をしてくれる人物に決める

専門家を探す際の条件として挙げられるのが「対応」です。

たとえ資産税や事業承継問題に対して詳しい専門家であったとしても、会社や経営者に親身になって対応してくれない場合、事業承継の失敗率が高まるでしょう。

親身に対応してくれる専門家は、経営者や後継者では気付けない課題などに気付く場合が多いです。

事業承継専門機関から探す

途中でもご紹介した一般社団法人「事業承継協会」などは、事業承継に関する資格保有者の登録が行われており、誰がどこにいるのか把握しています。

他にもマッチング支援サービス等では、事業承継やM&Aに関する知識・ノウハウを持った専門家と出会うことができますし、事業承継士を多数育成している「事業承継センター」では、専門家がコンサルティングも行ってくれるため、多くの経営者におすすめです。

おすすめの相談先

  • 税理士法人山田&パートナーズ
  • M&A総合研究所
  • 税理士法人チェスター

それぞれの相談先の特徴について解説していきますので、進め方や専門家の選び方と併せて参考にしてください。

税理士法人山田&パートナーズ

税理士法人山田&パートナーズは、税理士法人の中でも事業承継コンサルティングやM&Aコンサルティングを実施していることでも有名です。

面談を重ねながら丁寧なヒアリングを行い、親族関係や会社の現状・自社株の評価額などを把握したうえで、事業承継に関する計画の策定や提案を行ってくれます。

計画の策定や計画の実行支援だけでなく、税務申告など実行後のフォローも丁寧に行ってくれるため、安心してコンサルティングの依頼ができるでしょう。

税理士法人山田&パートナーズの公式HPでは、事業承継に関するオンラインセミナーの開催情報が発信されているため、詳しくなりたい・基礎知識を身につけたいと考えている人も必見です。

M&A総合研究所

M&A総合研究所は事業承継・M&Aの仲介会社として知られています。

経営者の話や現状を丁寧にヒアリングし、企業の適正市場価値の算出や後継者探しの支援を行ってくれます。

仲介会社では珍しい着手金なしの完全成功報酬制になるため、じっくりと後継者・M&A先を探せる点でも人気です。

M&A総合研究所はWebから無料で相談できるとともに、多くの情報発信を行っています。

事業承継やM&Aに関する話でも、おさえておきたいポイントや補助金・税理の活用方法・特例措置についても詳しく解説されており、知識がない人でもわかりやすいです。

事業承継に関して詳しく頼りになる仲介会社なので、相談先を探している経営者にはおすすめします。

税理士法人チェスター

税理士法人チェスターは、資産税の中でも相続税に強い税理士事務所として知られています。

相続税をはじめとした資産税に詳しい従業員が216名も在籍している上に、全国に7拠点存在するため、多くの経営者が足を運びやすい税理士事務所です。

テレビ会議や電話での相談にも対応しており、初回の面談は無料です。

相続税に詳しいだけでなく、しっかりとヒアリングを行った後、どのような対策をしていくべきなのか、各会社に合った提案を行います。

専門家2名によるダブルチェックを行ってくれるため、安心して任せることができます。

まとめ

会社を後世に残していくためには事業承継が必須ですが、進め方が分からずに悩みを抱える経営者も少なくありません。

事業承継は、きちんと準備や計画を練った上で進めることにより成功率を高めることができます。

進め方の把握や専門家選び・早期の準備が成功のカギを握るため、進め方をチェックしながら事業承継をおこないましょう。

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(編集:創業手帳編集部)