事業承継と継承は違うって本当?違いや成功させるコツなどを紹介

事業承継は多くの企業が考える必要がありますが、「承継」と似ている言葉として「継承」が存在します。

承継と継承は異なるため、把握して使いこなすのが好ましいです。

承継と継承との違いや事業承継のポイント・おすすめの相談先について解説しますので、参考にしてください。

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事業承継とは?


事業承継とは、会社や事業の経営権や社風・経営者の想いを後継者が引き継ぐことを指す言葉です。

事業承継は「親族内承継」「親族外承継・従業員承継」「M&A」に分かれます。

どの方法も違う対策が必要になるため、会社・事業をどのように残していきたいかを考えて対策を練っていくのが好ましいです。

事業承継と継承の違いは?


承継と継承では、どちらかというと「継承」の方が耳にしたことがあるという人も多いのではないでしょうか。

継承と承継の違いは大辞林 第三版によると、下記のようになっています。

承継(しょうけい)
先の人の地位・事業・精神などを受け継ぐこと
継承(けいしょう)
先の人の財産・権利・身分・義務などを受け継ぐこと

承継と継承では大きな違いはないのですが、ニュアンスや意味合いは異なります。

継承は、王位継承などに使われることが多く、身分や権利・資格や経済価値などを引き継ぐという意味です。

承継の場合は、承ってから継ぐというニュアンスになり、前任者の理念や想いを理解し、自身が承認してから受け継ぐということです。

承継と継承は似てはいますが、意味合い・ニュアンスは変わるため、理解した上で使い分けましょう。

ちなみに、民法の条文や事業承継に関する契約書などでは「承継」の文字が使われています。

事業承継は中小企業だけでなく国全体の問題になっている


承継と継承の違いについて解説しましたが、事業や会社を承認したうえで受け継ぐ「事業承継」は、日本全体の問題になりつつあります。

日本では、2025年までに団塊の世代である多くの経営者が70歳を迎えるため、事業承継について考え始めるタイミングになりますが、帝国データバンクが2018年に調べた結果によると、70歳を迎える中小企業の経営者245万人中127万人が後継者未定状態という結果になっています。

後継者が決まらないまたは、いないために廃業・解散を視野に入れている中小企業は多く、日本全体の総生産が著しく低下する可能性が高いです。

日本の中小企業や雇用・生産性を守るためにも、国が支援を行っています。

事業承継を促す、補助金や税制の特例措置など様々な支援があるので、事業承継を考えている場合は活用するのがおすすめです。

事業承継を成功させるためにおさえたい7つのコツ・ポイント

  • 早期な準備を行う
  • 現状分析や課題の明確化を行う
  • 方向性に合わせたマッチング支援サービスの利用
  • 後継者育成セミナー・スクールの参加
  • 事業承継に関する知識を身につける
  • 事業承継に強い専門家を見つける
  • しっかりとしたスケジューリング

上記の7つは、事業承継を成功させるために意識したいポイントです。

それぞれのポイントについて解説をしていきますので、参考にしてください。

早期な準備を行う

事業承継を成功させるための一番大切なポイントが「早めの準備」です。

事業承継を進めるには、5年から10年と長い時間が必要になります。

後継者や会社の状況によってはさらに時間がかかる場合があるので、早めに対応しておくことによって成功率を高めることが可能です。

現状分析や課題の明確化を行う

事業承継を視野に入れた場合は、現状の分析や課題の明確化を行うようにしましょう。

現状の分析が丁寧に行われていないと、各企業の課題が見つかりにくい上に、専門家と話す際にも見落としてしまう可能性があります。

一つひとつ課題を解決することが事業承継の成功率を高めるので、会社や経営者の現状分析や課題の明確化を行うようにしてください。

方向性に合わせたマッチング支援サービスの利用

親族や子ども・従業員に、後継者がいない場合は、外部から後継者を探す必要がありますが、その際にはマッチング支援サービスの利用がおすすめです。

近年では、事業承継・M&Aを支援するために、多くの企業がマッチングサービスの提供を行っています。

マッチングサービスは、ただ経営者と後継者・買い手がマッチングできるだけでなく、事業承継やM&Aに関する支援を受けることも可能です。

後継者育成セミナー・スクールの参加

多くの後継者は社会経験があっても、経営経験を持っている人は限りなく少ないです。

事業承継後の経営を安定化させるためには、後継者の育成を行い、経営や人事・マーケティングなどの戦略を身につける必要があります。

マッチング支援サービスと同様に、後継者育成のためのスクールやセミナーが登場しているため、参加するのがおすすめです。

事業承継に関する知識を身につける

専門的な知識は難解なため、深い部分までは理解しなくても大丈夫ですが、事業承継に登場する言葉の意味や必要な手順・対策などを知っておくと、専門家と話をする際にも戸惑わないですみます。

事業承継後にトラブルが起きた場合に「知らなかった」では通じないため、事業承継に関する知識はなるべく身につけるようにしましょう。

事業承継に強い専門家を見つける

事業承継の成功率を高めるポイントは「事業承継に強い専門家を見つける」ことです。

一般的には税理士や弁護士などが事業承継に強いというイメージがあるものの、すべての税理士・弁護士が事業承継に長けているというわけではありません。

事業承継には資産税が関係しており、詳しい税理士はごくわずかになります。

また、資産税に詳しいことはもちろん、親身になって相談を聞いてくれる専門家を選ぶのがおすすめです。

しっかりとしたスケジューリング

事業承継を成功させるためには、スケジューリングも大切です。

途中でも紹介しているように、事業承継は5年から10年と長い年月をかけて進めていきます。

そのため、スケジューリングを行っていないと、何をどの段階まで進めているのか分からなくなりやすい上に、抱えている課題を見落としてしまう可能性があります。

事業承継の計画表の作成方法が分からない場合は、中小企業庁が出している「事業承継ガイドライン」や、各企業が提供しているPDFファイルなどを参考にして作りましょう。

事業承継に詳しいおすすめの相談先

  • 税理士法人チェスター
  • 税理士法人山田&パートナーズ
  • 事業承継センター
  • M&A総合研究所

上記の4箇所は、事業承継に強いおすすめの相談先です。

税理士法人チェスター

税理士法人チェスターは、相続税に強いことでも有名な税理士法人です。

東京・大阪・名古屋・福岡と都心部に事務所を構えているため、多くの人が足を運びやすいでしょう。

また、テレビ会議や電話での無料面談にも対応しているため、足を運べない人でも相談しやすいです。

相続税に強い専門家が200名以上在籍しており、専門家のダブルチェックをしてもらえるため、見落としなども防げます。

税理士法人山田&パートナーズ


税理士法人山田&パートナーズも事業承継に強く、また、M&Aのコンサルティングも行っています。

自社株の承継方法や株式の引き下げ・計画の策定などを丁寧に提案してくれるため、初めての人でもわかりやすく進めることが可能です。

事業承継を実行した後の税務申告などのフォローも行ってくれるので、多くの企業・経営者におすすめです。

事業承継センター

事業承継センターは、事業承継に関する専門知識を取得した「事業承継士」を多数育成している機関です。

中小企業に向けた事業承継・相続のコンサルティングも行っています。

金融機関や自治体・商工会議所などと提携しているため、幅広いネットワークを活用した提案を行ってくれるため利用しやすいです。

M&A総合研究所

M&A総合研究所は、事業承継・M&Aの仲介会社としても有名です。

マッチング支援サービスも行っていますが、事業承継やM&Aに関する相談も受け付けています。

他の税理士事務所や公共機関と違うのは、M&A総合研究所は、専門家に引けを取らない詳しい情報を、初心者でもわかりやすいように発信してくれる点です。

初めて事業承継について勉強する人でも、わかりやすい内容にまとめられており、情報収集ができやすい点でも人気があります。

まとめ

承継と継承との違いや、事業承継を成功させるポイントなどを解説しました。

事業承継は、きちんとした準備と一つひとつ課題を解決していくことで、成功率を高めることができます。

近年では、マッチング支援サービスやセミナー・後継者育成スクールなども登場していますので、それらを上手く活用することによって経営者の負担を下げることも可能です。

事業承継を成功させるためにも、一つひとつを丁寧に対応していくようにしましょう。

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(編集:創業手帳編集部)