事業承継の資金調達には保証協会を活用しよう!
事業承継は税金対策・自社株および経営権の引継ぎなど、様々な専門的な手続きが発生するため、税理士や事業承継アドバイザーに相談する必要があります。
その際は相談料などの費用が発生しますので、予算に見合ったアクションを起こさなければなりません。
もちろん中には、「予算的に厳しい……」「うちは零細企業だから事業承継をする資金的な体力もない」という経営者の方もいらっしゃることでしょう。
しかしどうぞご安心ください。事業承継に関する予算に都合をつけられない場合は、公的機関である「保証協会」を活用すれば資金調達を実現出来ます。
では一体、「保証協会」とは何なのでしょうか。そこで今回は、この公的機関について徹底的に解説していきます。
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目次
事業承継にはお金がかかる
事業承継は、ただ後継者を見つけて会社を譲り渡せばいいというわけではありません。
後継者探しはもちろん大切ですが、それ以上に、事業承継に伴う費用を補う潤沢な資金が不可欠なのです。
子どもや親族に会社を譲る場合は、「親族内承継」となりますので、贈与税や相続税がかかってしまいます。M&A仲介業者を介して外部の経営者に事業を引き継いでもらう場合も、仲介料やコンサル料が必ずかかることになります。
こうしたことから、せっかく事業承継を目指していたにもかかわらず、その過程で発生する費用の工面が苦しくなり、結局は廃業を選択するという経営者も決して珍しくはありません。
だからこそ、経営者のみなさんにぜひとも活用していただきたいのが「保証協会」なのです。
保証協会とは?
保証協会は、各都道府県に一つずつ設置されている公的機関で、例えば東京都には「東京信用保証協会」、大阪には「大阪信用保証協会」が設けられています。
保証協会の主な役割は、保証人や担保を用意することが難しいとされる中小・零細企業のために代理を立てることです。
つまり資金の借入が困難とされている経営者は、保証協会を介して銀行から融資を受けることが出来るようになります。
このように、保証協会が仲介して金融機関から借り入れを行うことを「保証付き融資」(通称:マルオh)とも呼びます。
東京信用保証協会の場合、都内の中小企業の約50%が保証協会を活用しているといわれています。「うちの信用レベルでは借入が難しいかも」と懸念されている方でも、非常に可能性がありますので、事業承継の資金繰りで困った際は、一度試してみるとよいでしょう。
保証協会を利用する際のポイント
・保証協会のポイント① 中小企業であれば活用できる
・保証協会のポイント② 倒産や延滞あるいは法令違反がない
保証協会を活用する際に知っておきたいポイントは、主に上記の2点が挙げられます。
保証協会の特徴① 中小企業であれば活用できる
中小企業の資金繰りの難しさと、それが原因で事業承継が円滑に進んでいないという国内の現状には政府も注視しているため、現在では各都道府県に必ず保証協会を設置しています。
事業承継のための資金を借入れる際には、基本的にあらゆる中小企業を対象にしているため、どんな経営者でも保証協会を利用することが可能です。
保証協会の特徴② 倒産・延滞・法令違反の有無
中小企業が保証協会を利用するためには、以下の条件を満たしている必要があります。
- 会社規模が「中小企業」に該当している
- 保証協会が設置されている都道府県内にて、一定期間継続して事業運営している事実がある
- 過去および現在時点で、倒産の経験・支払いの延滞・法令違反がない
大阪府中小企業信用保証協会のケースを例にとると、②の「一定期間」はおよそ6ヶ月以上とされており、①の「中小企業」は資本金5,000万円以下で従業員が50人以下と定義されています。
しかし一方で、建設業や製造業においては上記のそれよりも比較的基準が緩いようで、資本金3億円以下で従業員300人以下だとしても「中小企業」という扱いになります。
まずは一度、みなさんの地元に設置されている保証協会に問い合わせたりホームページで調べたりするとよいでしょう。
保証協会の「保証料」について
保証協会を利用して金融機関から借り入れを行う場合、保証協会には別途「保証料」を支払う必要があります。
この保証料は、万が一あなたの会社が倒産してしまった場合に、保証協会が代理として金融機関に融資返済するための費用として積み立てられます。
保証料は、元本に対して一定の保証料率を掛けて算出され、金融機関からの融資が実行された際に一括で保証協会に前払いしなければなりません。
保証料の級数は大きくわけて9段階。業績の優れた企業の順に負担が少なくなっています。
まとめ
国内の中小・零細企業では、後継者不足の前に、そもそも「潤沢な資金がない」という理由で事業承継を断念してしまう光景がしばしば見られます。
しかし、各都道府県につ設置されている保証協会を活用すれば、比較的低いハードルで金融機関からの融資を受けることが可能です。
保証協会がみなさんの会社の信用を担保してくれますので、「いつも資金の借り入れに困っている」という経営者の方でも、安心して利用出来ますよ。
もし、「将来的に事業承継を行いたい」「廃業するのは惜しい」と考えているのであれば、公的機関である保証協会を積極的に活用してみてはいかがでしょうか。
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