事業承継時には生命保険も役立つ!
多くの経営者が加入している生命保険ですが、生命保険を利用した事業承継対策が注目を集めています。
ただし、一般的に知られている生命保険に入っているだけでは意味がありません。
事業承継時に役立つ生命保険の活用方法や失敗しないためにおさえておきたいポイント・事業承継に力を入れているおすすめ生命保険を含めて解説をします。
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目次
なぜ生命保険が事業承継時の対策になるのか
日本では様々な生命保険会社が存在し、生命保険文化センターの令和元年度「生活保障に関する調査」の結果によると約8割の人が加入しています。
万が一の時に備えて入る生命保険ですが、事業承継対策に生命保険を利用することも可能です。
事業承継時に発生する相続税や贈与税に対して支払う資金として利用することになります。
事業承継時に活躍する生命保険
- 個人契約の生命保険の活用
- 法人契約での終身保険の活用
- 「逓増(ていぞう)定期保険」「長期平準定期保険」の活用
それぞれの活用方法について解説をしていきますので、生命保険での節税対策が知りたい人は参考にしてください。
個人契約の生命保険の活用
生命保険の受取人を後継者にしていることで、税金の支払いの手助けをしてくれる資金を渡すことが可能です。
生命保険金は相続税法上「みなし相続財産」と評価されますが、法定相続人の人数に対して500万円控除が受けられるため、税金面の負担も少なくなります。
税金の支払いを行ったことにより、経営状況が厳しくなって倒産をしてしまう企業も多いため、事業承継後の運営に負担をかけないようにしたいと考える人は、生命保険を活用するのがおすすめです。
法人契約での終身保険の活用
生命保険は個人契約だけでなく、終身保険を法人契約で行って活用する方法もあります。
終身保険は解約をしない限り保障期間が続くため、経営者が高齢で亡くなった場合も死亡保険金が支払われます。
定額保険よりも高めに設定ができるとともに、万が一の保証として役立つ保険です。
「逓増(ていぞう)定期保険」「長期平準定期保険」の活用
「逓増(ていぞう)定期保険」や「長期平準定期保険」も、事業承継に活用されています。
長期平準定期保険は、解約返戻率のピークが20〜30年程度の期間に設定されていることもあって、長期期間で対策を行う事業承継と相性抜群です。
逓増(ていぞう)定期保険は、加入時から段階的に死亡保険金額が増えていく定期保険で、解約返戻率のピークは10年前後に設定されることが多いです。
どちらも死亡保険金を税金支払いにあてることができるため、事業承継時に活用されています。
失敗しないための事業承継でおさえておきたいポイント
- 後継者が決まっているか
- 経営状況と合わせた保険にする
- キャッシュフローの構築を行う
- 想定範囲内に収まるように行動
生命保険の他にも、事業承継を成功させるためにおさえておくべきポイントが存在します。
それぞれのポイントについて解説をしていきますので、参考にしてください。
後継者が決まっているか
事業承継を考える場合、まずは後継者のことを考えるようにしましょう。
後継者がいないことで悩みを抱える企業は多く、後継者がいないため廃業・解散をする企業も少なくありません。
後継者探しは慎重に行う必要があり、そのため、時間がかかる場合が多いです。
また、近年では後継者探しができやすいように、下記のようなマッチングサービスを利用する人も多いです。
【おすすめのマッチングサービス】
- 事業承継マッチング支援
- 事業承継総合センター
- ビズリーチ・サクシード
- M&A総合研究所
経営状況と合わせた保険にする
生命保険は先ほどご紹介したように、様々な活用方法が存在しますが、経営や経営者の状況に合わせた保険を選ぶようにしましょう。
どの保険にもメリットやデメリットがあるため、経営や経営者の状況に合わせた保険を選ぶことで、しっかりとした対策が行えます。
キャッシュフローの構築を行う
生命保険を活用する際には、キャッシュフローの構築を行います。
生命保険は金額が自由に設定できますが、死亡保険金額を高めようとして、経営に負担のある支払いを行っているのでは本末転倒です。
会社の経営状況に合わせた保険の支払い設定を行うのがおすすめです。
想定範囲内に収まるように行動
相続税などは、想定内におさめるようにしましょう。
相続税や贈与税への対策を行ったとしても、経営者が亡くなるタイミングで急激に資産が増えている場合は、想定を上回る価格の相続税が発生する場合があります。
想定外の税金はトラブルに発展しやすい上に、経営に影響を与えてしまうため、税金対策を行う場合は想定内の範囲に収まるように調整を行いましょう。
生命保険と合わせて確認したい事業承継時対策
事業承継では生命保険が使われることも多いですが、他にも事業承継に向けた税制や補助金なども存在します。
どのような内容になっているのか簡単に解説をしていきますので、事業承継を視野に入れている人は参考にしてください。
事業承継税制の特例
事業承継税制の特例は、平成30年に行われた税制改正によって特例化された税制です。
中小企業であるという点や、経営者・後継者・継続年数などの様々な条件はありますが、相続税や贈与税などの支払い猶予や免除されるというメリットがあります。
多額の税金支払いは経営に影響を与えやすいため、税制の特例を利用することで負担をかけない経営を行うことが可能になるでしょう。
新規事業に向けての補助金
2025年には超高齢化社会になることを危惧しており、事業承継を円滑に進めるための補助金などもあります。
事業承継でも従業員や親族に渡す方法や合併・買収を目的としたM&Aなどが存在しますが、どちらの事業承継でも新しい事業にチャレンジしようと考えている企業に向けて補助金が出されており、多くの企業が応募しています。
下記は平成29年度の補助金例ですが、事業承継を契機に新しい事業を始めようと考えている人は参考にしてください。
【後継者承認支援型】
事業転換 | 補助率 | 補助上限額 | |
---|---|---|---|
個人事業主を含む小規模事業者 | 無し | 2/3 | 200万円 |
上記以外の人 | 無し | 1/2 | 150万円 |
個人事業主を含む小規模事業者 | 有り | 2/3 | 500万円 |
上記以外の人 | 有り | 1/2 | 375万円 |
参照:平成29年度補正事業承継補助金
【事業再編・事業統合支援型】
対象となる取り組み
- 合併
- 会社分割
- 事業譲渡
- 株式交換
- 株式移転
- M&Aの取り組みなど
事業転換 | 補助率 | 補助上限額 | |
---|---|---|---|
採択上位者 | 無し | 2/3 | 600万円 |
上記以外の人 | 無し | 1/2 | 450万円 |
採択上位者 | 有り | 2/3 | 1,200万円 |
上記以外の人 | 有り | 1/2 | 900万円 |
参照:平成29年度補正事業承継補助金
事業承継対策として力を入れているおすすめ生命保険会社
- ソニー生命保険
- エヌエヌ生命保険
- みずほ銀行
- アクサ生命保険
どこの生命保険会社が事業承継支援に力を入れているのか解説をしていきますので、生命保険の活用を視野に入れている人は検討してみてください。
ソニー生命保険
ソニー生命保険は、公式HPでも60歳以降の事業承継期のリスクについて詳しく解説をしています。
事業承継に活用される保険の種類「低解約返戻金型平準定期保険」「長期平準定期保険」などを具体的に挙げており、イラスト付きなのでイメージもしやすいでしょう。
パンフレット・資料請求も可能です。
有名企業の生命保険を利用したいと考えている人におすすめします。
エヌエヌ生命保険
エヌエヌ生命保険は、日本で営業を開始して以来30年以上にわたり、中小企業や経営者支援してきた実績を持ちます。
相続税対策になるようなプランや、事業承継に適したプランなどがあります。
経営者が豊かなセカンドライフを送る為の資金や、万が一の事があった際には、遺族が安心して生活を送るための退職金資金を考慮した保障など、承継後にも頼りになるプランがあるおすすめ保険会社です。
みずほ銀行
みずほ銀行は、保険会社と連携したサービスの提供を行っており、みずほ銀行を通して事業承継対策に適した生命保険のプランを知ることが可能です。
契約自体はみずほ銀行と提携している保険会社との締結になります。
個人契約や法人契約での生命保険についても公式HPでわかりやすく解説されていますので、生命保険の活用についてさらに詳しく知りたい人は参考にしてください。
アクサ生命保険
アクサ生命保険は、事業保障資金の確保や死亡退職金の準備に長けています。
事業承継を支援するプランも存在し、専門スタッフに無料相談を行うことも可能です。
アクサ生命保険には様々なアドバイザーが在籍しているため、多角度からのアドバイスを受けたいと考えている人におすすめです。
まとめ
生命保険は税金対策はもちろんですが、事業承継後の生活を豊かにするために利用されることも多いです。
事業承継に対する節税や運営資金対策を考えている人は生命保険にも注目してみてください。
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(編集:創業手帳編集部)