事業承継は銀行による融資で大きく状況を変えられる!
事業承継は節税対策や後継者育成をはじめ、様々なことを行う必要がありますが、事業承継後のことも考えることが必須です。
中でも税金の支払いによる影響から経営状態が厳しくなる企業も多いため、銀行による融資を利用するのが好ましいでしょう。
当記事では、銀行から融資を受けたほうが良い理由や注意点、事業承継を応援しているおすすめの銀行について解説をしていきますので、事業承継を視野に入れている人は参考にしてください。
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事業承継時に銀行から融資を受けたほうが良い理由は?
・承継後の経営を安定化させやすい
・新しいビジネスを開始できる
・税金の支払いに困りにくい
銀行から融資を受けたほうが良い理由としては、上記の3つが挙げられます。
これから、それぞれの理由について解説をしていきますので、事業承継を考えている人はぜひチェックしてみてください。
承継後の経営を安定化させやすい
事業承継時は税金の支払いなどが必要になるため、多くの企業が経営不振に陥ってしまいがちです。
特に相続税が多額であった場合、税金の支払いだけで経営資金のほとんどを取られてしまう可能性もあります。
銀行から融資を受けることによって、税金の支払いをしても経営資金の確保ができるため、安定した事業・会社運営が行えます。
新しいビジネスを開始できる
さらに銀行から融資を受けることによって、税金の支払いができるだけでなく、いざ新しいビジネスを開始するという時にも苦労しません。
新しいビジネスを始めようと考えた場合は、新規事業に沿った設備投資や人材配置はもちろん、多額の資金も必要になってきます。
事業承継後は税金の支払いによって経営資金が少なくなりがちな企業が多いため、融資を受けていない状態ではなかなか新しいビジネスを開始しにくくなるでしょう。
前経営者が守ってきた会社・事業を維持しつつ、新しい取り組みにも挑戦していきたいと考える人は銀行から融資してもらうことも検討してみてください。
税金の支払いに困りにくい
銀行の融資は、税金の支払いを行う資金調達として利用することも可能です。
銀行によって融資してもらえる金額や可否は変わりますが、近年では中小企業の事業承継をサポートするために、専用融資を実施しているところもあるほどです。
専用融資は使い方が企業ごとに変わりますが、税金の支払いに充てて会社存続をしていく場合でも問題ありません。
銀行から融資を受ける際の注意点
・後継者の同意が必要
・計画書などの必要書類が多い
銀行から融資を受けたいと考える場合は、上記の2つに注意する必要があります。
続いては、それぞれの注意点について解説をしていきますので、メリットとあわせて参考にしてください。
後継者の同意が必要
銀行から融資を受ける場合に、最も注意をする必要があるのが「後継者の同意」です。
新しいビジネスを始めようと後継者が銀行に打診するのは大丈夫ですが、経営の安定化目的で後継者の同意なしに融資をしてもらうと後々トラブルに発展しやすくなります。
経営者と後継者で話し合った上で銀行から融資を受けるようにしましょう。
計画書などの必要書類が多い
銀行によって変わりますが、融資を受ける場合は計画書などの必要書類がたくさんあり、事業承継を進めていく際の負担になりやすいことを理解しておく必要があります。
銀行から融資を受けるために必要な書類などを集めている際に、経営者の身に万が一のことが起きた場合のことも視野に入れておくと良いでしょう。
融資の選択肢は地方銀行と政府系金融機関に分かれる
事業承継のために受けられる銀行からの融資は、地方銀行と政府系金融機関の2種類に分かれます。
新しいビジネスを始めようと思ったら、多くの起業家・経営者が利用している日本政策金融公庫がおすすめです。必要書類は多いですが、国が支援しているという点からも安心して利用できると人気があります。
地方銀行の場合は政府系金融機関と比べるとハードルが低く、融資審査が通りやすい傾向にあります。
近年では地方の銀行でも事業承継をサポートする専用融資などを行っていますので、会社の状況や経営者・後継者の意見のすり合わせをした上で検討するのがおすすめです。
事業承継・集約・活性化支援資金もおすすめ!
日本政策金融公庫は融資を借りる際のひとつの手段として活用できますが、日本政策金融公庫では「事業承継・集約・活性化支援資金」を実施していることでも有名です。
事業承継・集約・活性化支援資金とは、中小企業者の資金調達の円滑化を目的として実施しており、条件が厳しいものの、審査が通ると他の金融機関よりも優遇された貸付条件で融資が受けられます。
【事業承継・集約・活性化支援資金の条件例】
1 | 中期的な事業承継を計画し、現経営者が後継者と共に事業承継計画を策定している人 |
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2 | 安定的な経営権の確保等により、事業の承継・集約を行う人 |
3 | 事業の承継・集約を契機に、事業転換や新たなビジネスに挑戦しようと考えている人 |
4 | 中小企業経営承継円滑化法に基づき認定を受けた中小企業者の代表者、認定を受けた個人である中小企業者または認定を受けた事業を営んでいない個人 |
5 | 事業承継に際して、経営者個人保証の免除等を取引金融機関に申し入れたことを契機に取引金融機関からの資金調達が困難となっている人 |
事業承継税制や補助金も必見!
事業承継を考えている場合は、他に事業承継税制の利用や補助金の活用もおすすめです。
事業承継税制とは、相続税や贈与税の支払いがある場合、支払いの猶予期間の設定や免除を行ってくれる制度になります。補助金は、事業承継を契機に、新しいビジネスに挑戦しようと考えている企業の経費の一部を補助してくれる支援金です。
どちらも多くの経営者に注目を集めているため、気になったらまずは税制の利用や補助金の活用について調べておくと良いでしょう。
事業承継に関する融資に力を入れているおすすめ銀行
・北陸銀行
・広島銀行
・沖縄銀行
・きらぼし銀行
・伊予銀行
上記の5つの銀行は、事業承継時の融資支援に力を入れている銀行です。
専用融資枠なども存在しますので、事業承継を考えている経営者・後継者はぜひ参考にしてください。
北陸銀行
北陸銀行は「ほくぎん」の愛称で親しまれていますが、事業承継応援ローンが存在します。
担保・保証人が不要であるとともに融資期間も最長10年と長く、自社株取得に関する幅広い資金使途に活用可能です。
株式評価明細書や売買契約書、贈与契約書などの資金使途確認資料が必要になりますが、比較的審査が通りやすいため、多くの後継者におすすめです。
【事業承継応援ローン】
利用可能な人物 | 借入対象の自社株を発行している法人の後継者 |
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利用可能用途 |
・自社株取得に必要な株式取得資金・納税資金 |
融資金額 | 300万円以上5,000万円以内 |
利用期間 | 10年以内(据置期間最長6ヶ月) |
担保・保証人 | 不要 |
広島銀行
広島銀行は、事業承継に関するサポートローンを行っています。
広島銀行のサポートローンは株式取得だけでなく、事業承継時に発生する税金に対しての納税資金に充てることも可能です。
円滑に事業運営を行えるよう、融資期間を最長15年+据え置き期間最長5年の設定も可能になっているため、後継者の資金繰りの負担になりにくい点も魅力と言えます。
他にも事業承継に関する計画策定の支援・コンサルティングなども実施していますので、まずは気軽に相談をしてみてはいかがでしょうか。
【ひろぎん事業承継サポートローン】
利用可能な人物 | 広島銀行が事業承継計画を策定支援 または計画内容の検証を行った法人および個人 |
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利用可能用途 |
・事業承継に必要な株式取得資金 |
融資金額 | 1,000万円以上1億円以内 |
利用期間 | 15年以内 |
担保・保証人 | 審査あり |
沖縄銀行
沖縄銀行では、最高融資額が3億円以内の融資範囲かつ担保が不要の「おきぎん事業承継ローン」を実施しています。
沖縄県内に事業所がある法人または個人事業主・後継者個人が利用可能です。
使用用途は自社の株式や事業用資産を購入する際の資金・納税資金・事業承継に関連する旧債務借換資金などの幅広い用途で使用できます。
M&Aの場合は税理士事務所作成の事業計画書が必須になりますが、使用用途が広い上に融資金額も高額なので、気になる方はぜひ相談をしてみてください。
【おきぎん事業承継ローン】
利用可能な人物 | 沖縄県内に事業所がある法人 または個人事業主・後継者個人 |
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利用可能用途 |
・自社の株式や事業用資産を購入する際の資金 |
融資金額 | 100万円以上3億円以内 |
利用期間 |
運転資金:1ヶ月以上5年以内 |
担保・保証人 | 原則不要 |
きらぼし銀行
きらぼし銀行では、事業承継・相続対策サポートローンが存在します。
事業承継に必要な株式取得資金や納税資金のために利用可能で、1,000万円以上5億円以内の範囲で融資してもらえます。最長15年になっていますが、事業承継時に必要なその他資金としても利用可能なので、活用用途は幅広いです。
納税のための資金調達で悩みを抱えている人は、きらぼし銀行に相談してみてはいかがでしょうか。
【事業承継・相続対策サポートローン】
利用可能な人物 | きらぼし銀行が作成した「提案書」 および「外部専門家による意見書」を開示できる法人・個人事業主 |
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利用可能用途 |
・事業承継に必要な株式取得資金・納税資金 |
融資金額 | 1,000万円以上5億円以内 |
利用期間 | 15年以内(据置期間最長5年) |
担保・保証人 | 要相談 |
伊予銀行
伊予銀行では、いよぎん事業承継支援ローンを実施しています。
支援資金は株式取得や納税資金、設備購入などの事業承継に必要な運転・設備資金に利用可能です。
担保・保証人に関しては伊予銀行の審査に基づいて判断されますが、無料で事業承継・相続診断サービスを実施していますので、まずは相談から初めてみるのがおすすめです。
【いよぎん事業承継支援ローン】
利用可能な人物 | 事業承継を検討されている法人・個人 |
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利用可能用途 | 株式取得・納税資金、設備購入などの事業承継に必要な運転・設備資金 |
融資金額 | 1,000万円以上 |
利用期間 | 20年以内(据置期間最長5年) |
担保・保証人 | 所定の審査あり |
まとめ
事業承継時に銀行から融資をしてもらう経営者・後継者は多く、会社の経営負担や納税負担を下げることに利用できます。
近年では日本政策金融公庫だけでなく、地方銀行も事業承継を支援する専用融資枠が設けられているため、気軽に相談しやすくなっています。
経営の安定化や納税対策を考えている人は、まず銀行に相談してみるようにしてみてください。
起業家に有益な情報を徹底してお届けする「創業手帳」から、日本初の事業承継に特化したガイドブック「事業承継手帳(無料)」 が創刊されました!事業承継を検討する創業者の方、これから新社長になる方、事業承継に関わる士業の方などに有益なノウハウや最新情報をお届けしています。あわせてご活用ください。
(編集:創業手帳編集部)