事業承継に必要な準備期間は5~10年
事業承継を実行するタイミングを間違えると、円滑に進めることが出来ず、場合によっては廃業を余儀なくされるリスクがあります。
大切なのは、事業承継の準備に必要な「期間」を把握して行動を起こすことです。
税金対策や後継者探しや育成期間をふまえて考えると、一般的には5~10年の期間が最低でも必要であるといわれています。
そこで今回は、事業承継を実行するタイミングや期間、および成功へと導くポイントについて解説していきます。
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事業承継を行うタイミングや期間
事業承継を行うにあたり、「どのように手続きすればいいのかわからない」「後継者がいない」「業務が忙しくて事業承継どころではない」という悩みを持つ経営者も少なくありません。
まず足がかりとしてポイントなる期間は、「後継者の年齢」です。
中小企業庁が先代経営者に行った調査によれば、後継者の年齢が平均43.7歳の時点で「事業承継のタイミングとしてしてちょうどいい」と感じていたことがわかりました。
みなさんが後継者の候補として考えている方は、現在おいくつでしょうか。もしも40歳頃になっていたとしたら、そろそろ事業承継のことを考えていくべきなのかもしれません。育成期間も考慮して将来の計画を立てていけば、円滑に話を進めることが出来るはずです。
事業承継の適切な期間
事業承継を成功へと導くには、後継者の育成期間が一つの重要なポイントとなってきます。
・事業承継の適切な期間① 後継者の年齢が若い
・事業承継の適切な期間② 後継者の教育が順調
それぞれの期間について理解を深めながら、適切なタイミングで事業承継を始めるようにしましょう。
事業承継の適切な期間① 後継者の年齢が若い
事業承継を実行するタイミングは、後継者の年齢が比較的、若いうちのほうがよいと考えられます。
事業承継をスムーズに行うには、先述したように、後継者の教育として5~10年の期間を織り込んで計画することが大切です。
となれば、事業承継の行動を起こすのは後継者が30代後半ぐらいの時期が適切だといえるかもしれません。
事業承継の適切な期間② 後継者の育ち具合
自分の会社を引き継いで経営者として立派に独り立ちするまでに、どれくらいの教育期間が必要となるでしょうか。
「後継者は昔から経営の世界に関心があった」「もともとヒラのサラリーマンで、人の上に立った経験がほとんどない」
後継者のタイプも千差万別。適切な育成期間をあらかじめ想定しながら、その傍らで着実に事業承継計画を進めていくようにしましょう。
事業承継を成功させるための心構え
最後に、事業承継を成功させるための心構えを6つご紹介します。
・事業承継には期間を要する
・後継者の意思を尊重する
・会社の経営状況を客観視する
・現経営者は承継後に直ぐに引退
・政府の支援を活用
・専門家に相談
事業承継には長い期間を要する
事業承継を行う場合は、贈与税・相続税・株式や経営権の譲渡などの手続きが必要です。しかもそれぞれ、準備にはある程度の期間を要します。
理想の事業承継を実現するには、あらゆる面で、余裕を持って取り組まなくてはなりません。「急に実行しようと思ってもすぐには出来ない」ということを、常に念頭に置いておくようにしましょう。
後継者の意思を尊重する
先代経営者の理念やビジョンを伝えることはもちろん大切ですが、後継者の意思もしっかりと尊重してあげましょう。
先代だからこそ見える景色もありますが、これからの時代を担う後継者の思い描く未来もまた、事業繁栄にとって欠かせない要素なのです。
会社の経営状況を客観視する
後継者のためにも、資産総額や債務状況について冷静に見つめ直す必要があります。
多くの場合、後継者は先代の経営で抱え込んでいる債務も引き継ぐことになりますので、包み隠さず誠実に説明するように心がけましょう。
まずは一旦、税理士や事業承継の専門家に相談して、第三者の目で経営状況を把握してもらうことをおすすめします。
先代経営者は承継後に直ぐに引退する
会社を譲った後、先代経営者はなるべく後継者の経営に口を出さないようにして、そのまま勇退するのが一番です。
「頼られたときにだけアドバイスする」というくらいの距離感で見守ってあげれば、後継者も伸び伸びと経営を行うことが出来るでしょう。
困ったときは政府の支援や専門家を活用
贈与税や相続税を実質的に免除する「事業承継税制」や、後継者探しから専門家の紹介をトータルサポートする「事業承継センター」など……事業承継を推進する政府は、中小・零細企業の事業承継に関する相談窓口や制度を多数用意しています。
また、近年では中小企業の事業売買が盛んになってきているため、民間のM&A仲介業者も増えてきています。
「知り合いに頼れる相談相手がいない」という方は、ぜひ積極的に活用してみてください。
まとめ
中小企業が事業承継を実行するには、準備から実現までにかかる期間を想定して、適切なタイミングでアクションを起こしていく必要があります。
後継者を育成することを考えれば、一般的には事業承継には5~10年の期間を要するといわれているため、「まだまだ現役でいるつもりだ」という方も、なるべく早めに計画を進めていくとよいでしょう。
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