事業承継で起きやすいトラブルを把握しておくことで対策が練りやすい!
事業承継を考える経営者・後継者は多いですが、内容が難しいため何から始めたらいいか分からず、なかなか進んでいないという人も少なくありません。
また、実施してもトラブルで失敗する企業もあります。
事業承継には、どのようなトラブルが起きて失敗しやすいのか、起きやすいトラブルと解決策について解説をしていきます。
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目次
事業承継とは?
事業承継とは、会社や事業の経営権だけでなく、経営者の思想や社風を後継者に引き継ぐことを指します。
後継者へと引き継ぐ方法では、「親族内承継」「従業員承継」、他の経営者や投資家が買収・合併をする「M&A」が挙げられます。
どの方法もトラブルが起きてしまう可能性があるため、しっかりと対策を練っておくことが必要です。
事業承継で起きやすいトラブル7選
- コミュニケーション不足による親子間トラブル
- 経営者の急な体調不良・亡くなったことによる税金トラブル
- 後継者以外の親族者からのトラブル
- M&A後の思想違いトラブル
- 従業員と後継者間のトラブル
- 株式の分散による経営権の分散トラブル
- 事業承継後の経営不振
起きやすいトラブルを事前に把握しておくことによって、対策を練ることが可能です。
コミュニケーション不足による親子間トラブル
事業承継で最も失敗しやすいのが、親子間トラブルです。
親子間でのトラブルは、コミュニケーションが十分に取れていない場合に起こりがちです。
事業承継後の経営方針などによって揉める可能性も高いため、事業承継前には綿密な打ち合わせを行っておくのが好ましいです。
経営者の急な体調不良・亡くなったことによる税金トラブル
税金対策は、万が一の事態にも備えておくのがおすすめです。
多くの経営者は60歳を超えているため、持病を抱えていると急に体調を崩してしまう可能性もあります。
体調の変化によって話す機会がなくなる・亡くなってしまうということも少なくありません。
節税対策が不十分な状態で引き継ぎことで、多額の税金の支払いを行っている企業も多いです。
税金の支払いによって経営不振に陥り、倒産・解散する場合もあるので、万が一の事態にも備えましょう。
後継者以外の親族者からのトラブル
事業承継では親族者・相続人同士でのトラブルも多くみられます。
自分の会社を引き継いでくれると嬉しくなり、後継者に他の相続人よりも遺産分配を多くしてしまう経営者がたくさんいます。
しかし、均等に分配されていない場合は、相続後に親族・相続人同士のトラブルになりやすいです。
生前贈与を利用して会社を引き継ぎ成長させたのに、相続人の遺留分権を利用して株式が分散する事例もあります。
事業承継は後継者以外の親族者・法定相続人に対しても丁寧なフォローが必要です。
M&A後の思想違いトラブル
M&Aでは外部の人が後継者になるため、思想の違いが生まれやすいです。
会社を承継しても、違う社風・事業になってしまったのではトラブルになりやすいため、気を付けるようにしましょう。
従業員と後継者間のトラブル
従業員や後継者で、十分に関係が構築できていないとトラブルになりやすいです。
関係が悪化すると従業員の離職率が高まり、経営が安定しない状態になるため、従業員との関係づくりはしっかりと行うようにしましょう。
株式の分散による経営権の分散トラブル
親族者とのトラブルと似ていますが、相続時の株式の分散による影響で、経営権までもが分散してしまうトラブルも存在します。
経営権が分散してしまうと、社内で混乱を招いてしまう可能性が高いです。
事業承継時に経営権が分散してしまう事例も多いため、経営権が分散しないように対策をしておくのが好ましいです。
事業承継後の経営不振
事業承継後は会社の方針や社内の雰囲気が変わるため、多少の売上の変化がありますが、関係構築や後継者が業務の把握ができていない・マネジメント能力が育っていない場合は、経営が悪化しやすいです。
経営不振から社内の雰囲気が悪くなり、さらに業績悪化をしてしまう可能性があるため注意しましょう。
トラブルを生まない考えておくべき対応・対策
- 親族内承継はコミュニケーションが必須
- 従業員や取引先との関係構築
- 入念な準備
- 相続人に対するフォロー
- 承継だけでなく承継後の計画も策定
- 補助金や税制の活用
上記の6つは、事業承継時のトラブルを生まない対策として挙げられます。
親族内承継はコミュニケーションが必須
親族内承継を考える場合は、コミュニケーションをしっかりと取るようにしましょう。
事業承継について考える場合は、親と子どちらも参加するようにし、専門家を間に挟んで話し合いを行うのがよいでしょう。
きちんと打ち合わせを行うことによって、気持ちのすれ違いなどを無くすことが可能です。
従業員や取引先との関係構築
多くの企業が考える必要があるのが、従業員や取引先との関係づくりです。
従業員への関係づくりを疎かにしてしまうと経営悪化につながりやすいとともに、離職率が高まる可能性があります。
取引先との関係構築も必須で、関係作りを怠ってしまうと取引を止められてしまうことも少なくありません。
従業員や取引先とは何度も話し合って、関係づくりを行いましょう。
入念な準備
事業承継は5年から10年の目安で進めていきますが、まだ時間があると考えて、準備が疎かになってしまう人も少なくありません。
しかし、事業承継は入念な準備こそが大切で、準備を怠ってしまうと税金対策や関係づくり・後継者育成など、どこかの部分が欠けてしまいやすいです。
相続人に対するフォロー
遺産分割が行われる際には、後継者以外の相続人に対して丁寧なフォローを行っていると、後継者と相続人の間でもめ事が生まれにくいです。
一番良い方法としては、後継者の選定・決定を行う際に法定相続人である人物を招集し、みんなで遺産分割と後継者について協議した上で決めるのがよいでしょう。
顧問弁護士などの専門家に間に入ってもらうようにすると、よりトラブルになりにくいです。
承継だけでなく承継後の計画も策定
多くの経営者が忘れてしまいがちなのが、承継後の話です。
事業承継は会社を引き継いだ後に、どのような対策を練っているのかも重要です。
経営不振に陥ってしまうと、従業員や取引先を不安にさせてしまいます。
計画策定後も安心して働いてもらう・取引してもらうためにも、承継後の計画も練っておくようにしましょう。
補助金や税制の活用
承継後のトラブルを生まないためには、補助金や税制の活用もおすすめです。
事業承継時に使える補助金では、承継後に新しい事業・ビジネスを考えている企業の経費の一部を負担してくれます。
もちろん採択が存在しますが、新しいビジネス・事業を始める際には設備や人件費など色々な負担が出てくるため、経費の一部だけでも補助してもらえると助かるでしょう。
税制は「事業承継税制」のことを指し、相続税や贈与税に関する税金の支払いが発生した際に、支払いの猶予期間の設定や免除をしてもらえる制度です。
中小企業である点や代表になってからの継続年数・後継者や経営者の条件など細かく存在しますが、税金の支払いの猶予期間を設けられることによって、経営負担を減らすことができます。
補助金や税制の活用は、どちらも事業承継後の経営の安定化を図るのに役立ちますので、できるのであれば利用するのがおすすめです。
事業承継のトラブルに強いおすすめ弁護士事務所
- 弁護士法人 青山法律事務所
- 平井綜合法律事務所
- 西村あさひ法律事務所
上記の3箇所は事業承継にも詳しく、多くの経営者から相談を受けている弁護士事務所になりますので、参考にしてください。
弁護士法人 青山法律事務所
弁護士法人 青山法律事務所は、新潟県にある弁護士事務所で、事業承継に関する相談数が多いです。
親族承継をする上での考慮しておくべきポイントや、関係者に対する対応・経営権の移転を確実行うためのポイントなどを、丁寧に教えてくれます。
青山法律事務所が開催しているセミナーに無料で参加することも可能です。
親族内外だけでなく、M&Aや株式譲渡についても詳しいため、事業承継に関する相談先としてもおすすめします。
【弁護士法人 青山法律事務所】
住所 | 新潟市中央区学校町通一番町12番地 市役所前ビル5階 |
電話番号 | 025-222-7788 |
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公式HP | https://www.niigata-aoyama.com/corporate/succession/ |
平井綜合法律事務所
平井綜合法律事務所は愛知県にある法律事務所で、事業承継だけでなく、コンプライアンス強化に強いことでも知られています。
公式HPで事業承継時に想定されるトラブルのケースなどを挙げており、どのようなトラブルが実際に起きやすいのか知ることも可能です。
事業承継の方向性に合わせた手順や対策なども解説しており、事業承継について詳しいことがうかがえます。
経営に負担がない程度の顧問料で、一定の範囲内の対策を行ってくれるため、少しずつ進めていきたいと考えている場合におすすめです。
【平井綜合法律事務所】
住所 | 名古屋市中区丸の内1-15-9 スガキコ第2ビル10階 |
電話番号 | 052-209-6671 |
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公式HP | https://www.hiraisogo.jp/ |
西村あさひ法律事務所
西村あさひ法律事務所は、海外にも複数の拠点を持つ法律事務所になります。
日本では東京・大阪・名古屋・福岡といった都心部に拠点を構えており、グローバルなトラブルの解決に強いです。
事業承継に関しても多数のトラブル解決実績が挙がっており、非上場企業における事業承継に関する紛争案件や債務過多会社について、第二会社方式を利用した事業承継案件などにも対応しています。
【西村あさひ法律事務所】
住所 | 東京都千代田区大手町1-1-2 大手門タワー |
電話番号 | 03-6250-6200 |
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公式HP | https://www.nishimura.com/ja/practices/business-successions |
まとめ
事業承継は様々なトラブルが生まれやすいため、対策を練っておくことが必要になります。
トラブルを回避するためには、専門の弁護士などに相談するのがおすすめです。
会社を残していくためにも、トラブルが生まれないように先手を打っておきましょう。
起業家に有益な情報を徹底してお届けする「創業手帳」から、日本初の事業承継に特化したガイドブック「事業承継手帳(無料)」 が創刊されました!事業承継を検討する創業者の方、これから新社長になる方、事業承継に関わる士業の方などに有益なノウハウや最新情報をお届けしています。あわせてご活用ください。
(編集:創業手帳編集部)