日本政府が策定している事業承継ガイドラインはどのような内容?

自分が興した会社を後継者に次いでもらいたいと考えているものの、「どのような手続きを取れば良いのかわからない」という事業者は多いのではないでしょうか。

会社を後継者へ引き継いでもらうためには「事業承継」を行う必要がありますが、国内では中小企業経営者の高齢化が進んでおり、多くの企業で事業承継が行われるタイミングを迎えています。

そこで、中小企業の事業承継を支援するために政府が行動指針を取りまとめたものが「事業承継ガイドライン」です。

今回は、事業承継ガイドラインの概要をわかりやすく解説するとともに、事業承継におすすめのマッチングサービスなどを紹介していきます。

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事業承継ガイドラインとは?


中小企業庁が事業承継の進め方や諸課題への対策方法などを取りまとめた指導方針が、「事業承継ガイドライン」です。

2016年に策定したガイドラインには、事業承継に向けた準備や課題への対策などが詳しく解説されています。

ガイドラインを知ることによって事業承継への道筋をつけやすくなるので、どのような準備をすれば良いかわからないという方は、事業承継の手引書として活用すると良いでしょう。

ガイドラインが生み出された背景

少子高齢化の影響によって企業の後継者が不足しており、今後10年間で日本企業の労働生産性が大幅に下がる可能性が指摘されています。

そこで日本政府は「事業承継ガイドライン(※1)」を策定し、中小企業庁の公式HPで公開しています。
(※1)参考:事業承継ガイドライン

ガイドライン以外にも事業承継を支援するための「新事業承継税制」や補助金なども整備しており、中小企業の経営者に次世代への事業引継ぎを促すべく様々な制作を行っているところです。

事業承継ガイドラインの内容とは?


事業承継ガイドラインは全6章で構成されています。

本項では、各章の内容やポイントを詳しく解説していきます。

事業承継の重要性

ガイドラインの第一章では、事業承継の重要性や中小企業の現状などが解説されています。

2016年に日本政策金融公庫総合研究所が実施した調査結果も紹介されており、後継者不足に悩む中小企業の現状を知ることができます。

同調査によると、近年は経営者の親族間で事業を引き継ぐ「親族内承継」が減少し、親族以外の役員や従業員に会社を託す「親族外承継」が増加している傾向が見られました。

事業承継を行うための準備と進め方

第二章では、事業承継を実施するために必要な準備や進め方が紹介されています。

事業承継の工程を5つに分けて、準備や課題の把握、経営改善の必要性などが詳しく述べられています。

それぞれの企業によって内部環境が異なるため、必ずしもガイドライン通りに進むわけではありませんが、事業承継の進め方を把握しておけば税理士や公認会計士に相談する際に役立つでしょう。

事業承継時に直面しやすい課題と解決方法

第三章では、事業承継を進めていく過程で直面しやすい課題と解決方法を解説しています。

「親族内承継・親族外承継・M&A(企業買収)による承継」の3つの手法について、実務上の課題点と対策方法が記載されており、税制上の優遇措置や株式の譲渡方法などを知ることができます。

後継者教育の成功事例や遺言書の書き方なども紹介されているので、事業承継を円滑に進めるための情報を知りたい方は目を通しておくと良いでしょう。

種類株式や信託などの活用方法

第四章では、種類株式や信託・生命保険の活用方法などが記載されています。

現経営者が「認知症」や「著しい体調不良」などで判断能力が低下した場合に備えるべく、種類株式や信託を活用する方法が紹介されています。

「遺留分減殺請求」による議決権分散リスクを軽減する方法も解説されており、後継者への財産の移転をスムーズに進めるのに役立つでしょう。

個人事業主の事業承継と課題

第五章では、個人事業主が事業承継を行う際の手順や課題などが解説されています。

個人事業主は法人ではないため「事業譲渡手続き」などの処理が不要ですが、事業用資産の分散が生じやすいという課題があります。

先代経営者と後継者の関係についてのアンケート調査なども紹介されていますので、将来的に事業承継を計画している個人事業主は参考にすると良いでしょう。

事業承継の支援を行っている行政機関

第六章では、事業承継を支援してくれる行政機関などを紹介しています。

事業承継支援体制を図解したイラストが掲載されており、どの組織で支援を受けられるかが一目でわかります。

サポートしてくれる行政機関のURLや住所・電話番号も記載されているため、事業承継についてどこに相談すべきかわからない時に活用すると良いでしょう。

事業承継診断表と計画表のテンプレート

ガイドラインは全6章で構成されていますが、最後に事業承継診断表や事業承継を進めていく際に活用できる計画表などのテンプレートが添付されています。

事業承継を計画しているものの、具体的な計画表を立てるのが苦手という経営者はこちらのテンプレートを利用してみましょう。

事業承継ハンドブックとは


中小企業庁のHPでは、事業承継ハンドブック「事業承継ガイドライン20問20答(※2)」を公開しています。
(※2)参考:事業承継ガイドライン20問20答

事業承継ガイドラインの内容をQ&A形式で解説しており、事業承継の重要なポイントを勉強できる参考書として利用できます。

様々な事業承継の事例がイラスト付きで解説されているため、事業承継に関する基礎知識を身につけたいという人におすすめです。

事業承継ガイドラインはどこで確認できる?


事業承継ガイドラインは中小企業庁のHPで公開されており、PDFファイルとしてダウンロード(※1)(※2)することができます。

経営者だけでなく、事業承継を初めて担当する税理士や公認会計士にも役立つ情報が記載されているので、実務を進める前に一読しておくことをおすすめします。

(※1)参考:事業承継ガイドライン
(※2)参考:事業承継ガイドライン20問20答

事業承継におすすめのマッチングサービス

サービス名 利用料金 登録者数 特徴
M&A総合研究所 ・成約まで必要なし
・成功報酬の手数料は1%~5%
非公開 ・着手金無しの完全成功報酬型
・状況開示要求が可能
TRANBI 無料 80,000人以上 買い手候補を探しやすい検索機能
BATONZ 無料 100,000人以上 専門家が成約に向けて無料支援

 

サービス名 利用料金 登録者数 特徴
事業承継マッチング支援 無料 非公開 日本に5つある政策金融機関のひとつが提供
M&A Cloud 無料 非公開 仲介者を挟まず直接買い手や投資家に交渉・相談可能

 

事業承継の後継者探しやM&Aによる社外への引継ぎを検討している場合は、上記のマッチングサービスがおすすめです。

マッチングサービスを利用すれば後継者が見つかるだけでなく、M&Aによる事業承継も可能になります。

M&A総合研究所


「M&A総合研究所」は、着手金無しの完全成功報酬型マッチングサービスです。

M&Aが成約するまで費用がかからないため、希望の条件に合った売却先が見つかるまで何度も交渉や相談をすることが可能です。

専門のスタッフがサポートしてくれるため、事業承継が初めての経営者でも安心して利用できます。

M&A総合研究所のWebサイトには、事業承継の解説コラムも掲載されているので、事業承継やM&Aに関する知識を身につけたい人はぜひチェックしてみてください。

TRANBI(トランビ)


TRANBI(トランビ)は、80,000人以上が登録を行っているマッチングサービスです。

企業と人材の出会いを支援する「経営イノベーションプラットフォーム」としてのサービスも提供しており、無料で気軽に利用できます。

さらにTRANBI(トランビ)では、買い手候補の検索機能を備えているので、条件を細かく絞って希望どおりの買い手候補者を探すことができます。

経営の参考になる情報収集もできるため、M&AやUSスタートアップについて学びたい経営者にもおすすめです。

BATONZ(バトンズ)


BATONZ(バトンズ)は、100,000人以上の登録ユーザーと67,000件の成約実績を持つマッチングサービスです。

M&Aには半年から1年かかるケースが少なくありませんが、BATONZ(バトンズ)では平均3.5か月程度で成約が見込めます。

事業承継を行いたい売り手は「登録料」「マッチング手数料」「成約手数料」の支払いが不要のため、希望の条件で会社を引き継いでくれる買い手が現れるまでサービスを利用できます。

有料オプションで専門家のサポートを受けられるので、売却条件や交渉の進め方をプロに相談しながら買い手を探したいという経営者にもおすすめです。

日本政策金融公庫「事業承継マッチング支援」


「事業承継マッチング支援」は、日本の政策金融機関「日本政策金融公庫」が提供しているマッチングサービスです。

無料で利用できるだけでなく、成約するまで事業承継に関する専門知識を持った担当者のサポートを受けることができます。

日本政策金融公庫に借上残高がある事業者を対象としていますが、借入金を完済してから5年以内の事業者や、商工会議所・生活衛生同業組合などからの紹介を受けた事業者も利用できます。

M&A Cloud(M&Aクラウド)


M&A Cloud(M&Aクラウド)は、仲介業者などを挟まずに買い手と直接交渉することができるマッチングサービスです。

仲介業者を挟まないためスピード感のある交渉が可能で、疑問点がある時は無料でM&Aアドバイザーに相談することができます。

事業承継の相手を探すだけでなく、自社の事業を成長させるために資金調達先を探すことも可能です。

まとめ


中小企業庁が策定した事業承継ガイドラインは、事業承継に関する基礎知識を身に着けるのに役立ちます。

利用できる制度や成功事例などが詳しく紹介されているため、法令等の知識がない方でも一から事業承継について学ぶことができます。

事業承継にはM&Aによって社外に事業を引き継ぐ方法もあるので、後継者の不在に悩んでいる経営者は、マッチングサービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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(編集:創業手帳編集部)