事業承継は中小企業診断士に相談しよう!
「後継者が見つからず廃業しなければならない」「今まで築き上げてきた事業やノウハウを後世に残したいが方法がわからない」といった悩みを抱える中小企業経営者は少なくありません。
事業承継には税金や株式などの専門知識が求められるため、事業承継に詳しい専門家に相談しながら計画を立てて実行すると、成功しやすくなります。
事業承継に対応する専門家の一つが中小企業診断士ですが、中小企業診断士はどこまで対応してくれるのでしょうか。
今回は、中小企業診断士とはどのような資格か、事業承継の相談先として適しているかどうかについて、詳しく解説します。
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目次
事業承継の方法
・親族内承継
・親族外承継(役員や従業員など)
・M&A
事業承継の主な方法は、上記の3つです。それぞれについて詳しく説明しますので、事業を引き継ぎたいと考えている方は参考にしてください。
親族内承継
これまでの事業承継は、経営者の子どもや親族を後継者に選ぶ方法が一般的でした。
親族内承継は長い時間をかけて後継者に経営者としての教育を行えるため、比較的スムーズに事業を引き継ぐことができます。
しかし、近年は少子化が進んでいることや、若者の仕事観が多様化していることもあって、親の事業を引き継がない子どもが増えています。
親族外承継(役員や従業員など)
親族ではなく、社内の役員や従業員を後継者に選ぶケースもあります。
長年勤めてきた役員や従業員であれば、経営方針や事業内容にも詳しく信頼できるため、現経営者も安心して事業を託すことができるでしょう。
しかし、経営者としての教育にかかる期間は5~10年と言われているため、後継者を早く決めて、早く教育を始める必要があります。
M&A
後継者が見つからなかったとしてもM&Aで事業を承継すれば、他社に買収してもらう形で事業を継続することができます。
M&Aは、現在多くの中小企業で活用されています。親族内や社内に後継者がいなくても、廃業することなく今まで築き上げてきた会社の技術やノウハウを後世に残すことが可能です。
事業承継マッチングサイトを利用したり、専門家に相談しながらM&Aで事業の買い手を探す経営者が増えています。
中小企業診断士とは?
事業承継では税金対策や株式の譲渡などがあり、専門知識が必要になるため、確実に事業承継を完了させるためには専門家にアドバイスを求めることをおすすめします。
事業承継を取り扱う専門家の一つに、中小企業診断士があります。
ここでは、中小企業診断士について詳しく解説します。
中小企業診断士の試験
毎年8月に行われる中小企業診断士の一次試験では、以下の7科目の学科テストを受けることになります。
・経済学/経済政策
・財務/会計
・企業経営理論
・運営管理
・経営法務
・経営情報システム
・中小企業経営/政策
一次試験に合格した人は、その後行われる二次試験(筆記・口述)受け、合格したら中小企業診断士の資格を取得できます。
中小企業診断士試験の合格率は4~5%と難関なので、中小企業診断士の資格を持つ人は経営全般の知識がある人として認められるでしょう。
単体で生活できない資格
中小企業診断士は人気がある資格ですが、中小企業診断士には独占業務がないため、この資格だけでは生活できないと言われており、中小企業診断士の約7割は別の仕事を持っています。
弁護士は法務、税理士は税務、社会保険労務士は労務というように、資格を持つ人だけが行える独占業務が法律で認められていますが、中小企業診断士にはそれがありません。
そのため、税理士や社会保険労務士、経営コンサルタントなどがプラスアルファの資格として、中小企業診断士を取得するケースが多いようですす。
中小企業診断士は事業承継に詳しい?
中小企業診断士は広い範囲をカバーできる資格なので、それをどのように活かしているかは人によって違うでしょう。
例えば、事業承継の知識がある中小企業診断士は、中小企業経営者の後継者を探すサポートをしたり、事業承継計画の立て方などについてアドバイスしたりできるでしょう。
中小企業診断士の資格を持つ経営コンサルタントなら、事業承継について的確なアドバイスをもらえるはずです。
ただし中小企業診断士という資格は、事業承継の知識を持つことを保証するものではなく、中小企業のコンサルティングに特化した資格であることに注意が必要です。
事業承継のプロに相談
現在多くの中小企業経営者が高齢になっており、廃業を回避するために後継者を探して事業を承継することを希望するケースが増えています。。
経営者としての知識や多方面におけるコネクション、経営手腕や実績はあっても、事業承継では税金対策や株式譲渡など専門性の高い手続きが生じるため、中小企業診断士の資格を持つ経営コンサルタントや、税理士、公認会計士などの専門家に相談するほうがスムーズに事業承継を進められます。
専門家に事業承継をサポートしてもらうとなると高額な費用がかかることがありますが、事業承継引継ぎセンターなどの公的機関を利用すれば比較的リーズナブな費用で支援してくれます。
役員や周囲の人たちに相談しながら、相談先を決めましょう。
まとめ
事業承継は中小企業にとって、今まで築き上げてきた技術やノウハウを後世に残すためのビッグイベントでもあります。
しかし、後継者が見つからないため廃業せざるを得ない中小企業は多く、専門家に相談することなく事業承継を諦めている経営者もいるようです。
事業承継では複雑な手続きが発生するため、専門家のサポートが必要です。顧問税理士・会計士などに相談する方法もありますが、経営コンサルタントとしての実績があり、中小企業診断士の資格を持つ人に相談する方法もあります。
ただし中小企業診断士には独占業務がないため、それ単体で業務を行う専門家ではなく、現時点ではあくまでも他の資格やスキルを補完する資格と言えます。
したがって、中小企業診断士の資格を持つ人を探すのではなく、事業承継に詳しく取扱実績が豊富な専門家を探すほうが良いでしょう。
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